桐生 純子
Feel Communication 代表取締役

 “ものづくり”の第一線で企業を支えている方々に向けて、「声かけ(コミュニケーション)の習慣の必要性」について再確認していただくことを目的とした講演をさせていただくことがあります。先ずは、ある企業の研修企画担当の方から研修をご依頼頂くにあたり、実際に伺った現場の声をご紹介します。

 現場作業は、作業班長を中心としたチームで行い、作業班長はメンバーの行う作業内容を徹底すると同時に安全などにも細心の注意を払うことが求められます。そうした中で起こりやすい危険の代表的なものとして次のようなことがあったそうです。

◆ある作業員の方が、ちょっとしたミスをした場合、作業班長に怒られるのが怖くて報告をしなかった。その結果として機器に不具合が発生してしまった。
◆作業班長が作業員の方に「いつも通りに、アレをやってくれ」と指示した。ところが、作業班長が考える“アレ”と、作業員の方の考える“アレ”との認識が異なっていたため、機器に不具合が発生しまった。

「あの時もう少し気にかけていたら・・・」

 このように「やったはず」「言ったはず」「確信したはず」が引き起こす事故がここ数年で急増しています。もちろん、この企業だけでなく他のご依頼の際にも必ず話題になることです。そして“あとから思えば”

「あの時に、ひとこと声を出して伝えていたら…」
「もし周りの誰かが少し気にかけていたら・・・」

未然に防ぐことができた可能性が高いというのです。

 ここで「社員間のコミュニケーション不足」ということが急浮上してくるわけです。