細川馨
ビジネスコーチ(株) 代表取締役

 前回は、部下との相互理解を深めるうえで重要となる部下の『価値観」を知ること、そして『全員社長主義』についてお話ししました。今回は、部下と『ビジョン』を共有することについてお話ししたいと思います。

 以前のコラムで「組織のビジョン」についてお話ししたことがありますが、個人にとっても「ビジョン」はとても大切なものです。リーダーにとって、部下とその部下の『ビジョン』を共有することはとても重要です。

個人のビジョンとは

 組織にとってのビジョンとは組織の「夢」、「将来像」のことです。

 組織のビジョンは、メンバーのモチベーションを高めるものであるとともに、業務を遂行したり、何らかの判断をする際の指針となるものです。ビジョンが共有され、浸透している組織では、「ビジョンの実現に何が必要なのか」「ビジョンを実現するために何を優先するのか」ということを、メンバー各自が常に考えて仕事をするようになります。

 同じように、個人にとってのビジョンも、「個人の夢、こういう風になりたいという将来像」を指します。この将来の目的地ともいうべきビジョンが明確でないと、どこに向かって進めばいいのか、何をすればいいのかがわからない状況になってしまいます。

 ですから、部下のビジョンを明確にし、ビジョンを高めてあげる――「現在地」から「目的地」に導いてあげることが、上司、リーダーの役割になるのです。

 しかし、どんなにビジョンが重要だとは言え、今どきの若手に「君のビジョンは何?」と質問しても、キョトンとさせるだけで、何の返事も得られないかもしれません。そのような場合には、次のような質問を投げかけてみてください。

 「3年後はどうなっていたいと思いますか?イメージでもかまいませんので、話してみてください」