細川馨
ビジネスコーチ(株) 代表取締役

 前回は、部下との信頼関係を築く秘訣『承認』に焦点を当てながら、チームを体感させることの重要性について解説しました。今回は、部下の『強み』を知り、それを伸ばすことについてお話ししたいと思います。部下を成長させるには、部下の強みを見つけ、それを最大限に伸ばすための支援をすることが大切だからです。

 豊富な経験を積んだ管理職やリーダーは、自分の持っている強みをさらに伸ばす努力をすると同時に、対人関係に悪影響を及ぼす弱みをできるだけ克服していくことが必要です。他の人とともに目的達成に向けて進むことが求められるからです。しかし、若手社員は、弱みの克服よりも強みを発揮させ、それを伸ばしていくことのほうがその後の成長においてより重要なのです。

強みを知るチェックリスト

 私は強みを次のように定義しています。

 「無理をせず、普通に行って、他の人よりもパフォーマンスを出す分野」

 研修などを通してお会いする管理職の方から「部下の強みを知るためには、どうしたらいいのか」と尋ねられることがあります。

 そのような場合、私は「部下の方に次のような質問を投げかけてみてください。」とお答えしています。

  • あなたが大好きなことは何ですか?
  • あなたが大好きな仕事は何ですか?
  • あなたの強みだと思う「○○」はどのような場面で特に発揮されると思いますか?
  • 「○○」が強みだと感じるのはどんなときですか?

 「大好きなこと」は仕事に関する事柄に限らず、自由に話してもらって構いません。この質問をする際には、例えば、「僕は釣りが趣味でね。本当はもっと行きたいんだけれど、最近は月に1回くらい行ければいいほうなんだ。○○さんはどんなことが好きなの?」とか、「私は、人を束ねてプロジェクトを成功させたときに、一番、仕事をしていて良かったなと感じるんだけれど、○○さんはどんな時にそう感じますか?」――といった具合に、上司がまず自分のことについて話すと、部下も話しやすくなります。