植田寿乃
キャリアコンサルタント/ダイバーシティコンサルタント

「やるべきこと」と「やりたいこと」

 オールドキャリア時代からニューキャリア時代への変化により、企業と個人の関係は大きく変わってきました。「企業のビジョン・目標」と、「個人の夢・目標」の2つが求められるようになってきたのです。まず、企業のビジョン・目標に基き、一人ひとりに役割と使命が求められます。すなわち営業企画、システム管理、プロジェクトリーダー、課長といった、名刺に書いてある職務につきまとう役割と使命です。一方で、自分自身の人生の夢・目標に基づき、自分自身を育むためのキャリアビジョンを持ち、それを追求していくことも求められています。

 つまり「やるべきこと、やらなければいけないこと」と、「やりたいこと、充実感と成長すること」の2つが求められているのです。この2つが別々に存在するのではなく、うまく重ね合わせることができている状態がニューキャリア時代の理想の姿です。この2つが重なり合えば、自然にその人のモチベーションは上がります。そして、そういう人たちが多ければ多いほど、組織としてのモチベーションも高くなります。

 この青丸と赤丸の関係ですが、オールドキャリア時代は青丸だけで良かったのです。企業が個人に対して求める使命、役割だけを黙々と真面目にこなし続けることだけがすべてでした。次々に与えられる使命、役割をきちんと果たしていれば、その企業は発展し、そこで働く個人には安定した収入と昇進が約束されていました。この時代には、自分が何をやりたいかなどと発言したり、自分がやりたいことをやろうとしたりするのは、自分勝手に映りました。まさに企業に身も心を捧げる、滅私奉公時代だったのです。