細川馨
ビジネスコーチ(株) 代表取締役

 さる4月、実際にはほとんど使っていないリサイクル原料を冷蔵庫に使用し、製造工程での二酸化炭素排出量を大幅に削減したように宣伝していたとして、日立製作所子会社の日立アプライアンスが、公正取引委員会から景品表示法違反に基づく排除命令を受けました。

 表示に問題があったのは、半年間で15万台を売り上げたヒット商品で、2008年度省エネ大賞で「省エネルギーセンター会長賞」を受賞していました。

 日立アプライアンスはお詫びをするとともに、コンプライアンス体制を強化して、より分かりやすい表示をするように努めるとコメントしています。近年、地球温暖化の問題がクローズアップされるようになり、二酸化炭素削減や省エネ、エコといった言葉に対し、人々が敏感に反応するようになっていきています。消費者は表示されていることが「正」であると信じて購入しているわけですから、今回の行為は決して許されることではありません。コンプライアンスに対する注目度が高まる中、このような違反が起こるというのは、由々しき事態と言わざるを得ません。

 前回は、自分自身がどれくらいコンプライアンス意識を持っているかということについて知るとともに、組織のミッションの重要性についてお話しました。今回はコミュニケーション能力および上司からの「ホウレンソウ」に焦点を当てながら、コンプライアンス意識を高めていくことについてお話しします。

コミュニケーションを通してコンプライアンス意識を高める

 日立アプライアンスでは、製品の設計から試作段階に入った2008年夏の時点で、リサイクル材の活用が技術的に間に合わないことが開発部門において判明していたそうです。しかし、宣伝部門などにその状況が十分に伝わらず、カタログが完成した後もチェックをしていなかったといいます。

 部門間のコミュニケーションをしっかり取ることができていれば、今回の事態は未然に防げていたかも知れません。組織内のコミュニケーションを活発にする環境を整えることで、コンプライアンス違反を予防したり、コンプライアンス意識を高めることが可能になります。

 まずは、自分自身にどれくらいコミュニケーション能力があるのか、それを分析してみましょう。