河合克彦
株式会社 河合コンサルティング 代表取締役

ケースの「解答(会社としての評価)」は会社の価値観の表明

 前回は評価者研修を行う価値があるかどうか、評価者研修の核心をなす「ケースに基づく評価者研修」で、手間と時間をかけてケースの「解答(会社としての評価)」を作る価値があるのかどうかという、評価者研修の存在意義や本質についての考えについて説明しました。

 今回はケースの「解答(会社としての評価)」をどのように作ればよいかについて説明します。X社の人事部長から以下のような質問を受けました。

 当社では、「日本経済新聞出版社のDVD「【ディスカッション教材】一次評価者のための人事評価」と「CD-ROM一次評価者のための人事評価アシストパック」を活用して映像と文書による「ケースに基づく評価者研修」を行うことになりました。その前に「解答(会社としての評価)」を作成する必要があります。「解答(会社としての評価)」をどのようにして作成すればよいのでしょうか。また作成するにあたって留意する点はどのようなものでしょうか。」

 「解答(会社としての評価)」を作るということは、会社の価値観を表明するということです。「解答(会社としての評価)」は、法律に言い換えれば「判例」に相当します。法律の条文や解説書を読んでも、具体的な事例に関してどう判断するか、よく分からないことがあります。それを解いたのが「判例」です。評価に関しては、それぞれの会社は「評価基準」を持っていますが、これだけでは具体的な事象に関してどう判断したらよいか、よく分からないことがあります。それを解き明かすのが「解答(会社としての評価)」です。それだけに十分時間をかけて討議しなければなりません。「解答(会社としての評価)」は、ケースという具体的事実によって明らかにする会社の価値観の表明でもあるので、経営トップが加わって討議する必要があります。経営トップの判断が入って始めて「会社としての評価」に魂が吹き込まれ、社内講師は自信を持って「会社としての評価」を説明できるのです。