松丘啓司
エム・アイ・アソシエイツ(株) 代表取締役社長

 「変化に強い人材を創る」というのがこの連載のタイトルですが、「変化に強い人材は必要ですか」と尋ねられて、「当社では必要ありません」と答える企業は、おそらく皆無ではないかと思います。では、「変化に強い人材とはどのような人材ですか」という問いに対しては、どのような回答が得られるでしょうか。

 この問いに対する回答は、答える人によってさまざまでしょう。「自ら課題を発見できる人材」、「組織に依存するのではなく、自律的に行動できる人材」、「変化に翻弄されない信念を持った人材」など、どれもそのとおりだと思います。

 私は今回、「変化に強い人材」とは、「未来に対する想像力を持って、自分なりの判断ができる人材」と定義したいと思います。それは、変化の中にあっても、将来の姿を見通したうえで、現在、自分が何をすればよいかが見定められる人です。では、そのような「変化に強い人材はどうすれば育成できますか」という問いに対しては、何と答えればよいでしょうか。

 そのために必要なことは、「論理思考」と「自己理解」という、一見、まったく別のものと思われる能力を一体的にはぐくむことだと考えています。今回は、この2つの能力の関係について、考えてみたいと思います。