田島俊之
エム・アイ・アソシエイツ(株) ディレクター

仕事のやりがいとは何か?

 キャリアにまつわる話には必ずといっていいほど、「この仕事はやりがいがある」とか、「やりがいのある仕事に就きたい」といったフレーズが多く登場する。そもそも仕事のやりがいとは何であろうか?働きがいや生きがいとは、何がどのように違うのだろうか?

 仕事のやりがいを語るときによく引用される、二人の石切り職人の話がある。

 『旅人がある町の建設現場を通りかかったときに、二人の石切り職人が働いていた。旅人が一人の石切り職人に、「あなたは何をしているのか」と尋ねたところ、その石切り職人は、「この忌々しい石を切るために汗水たらしているのだ」と、ぶっきらぼうに答えた。

 そこで旅人はもう一人の石切り職人にも同じことを尋ねたところ、その石切り職人は活き活きと目を輝かせてこう答えた。「多くの人たちの安らぎの場となる素晴らしい教会を造っているのです」と。』

 この寓話の意味するところは、同じ仕事でも自分自身がその仕事にどのような意味を見いだしているか、また、どのような価値を感じているかが、仕事の価値を決めるということだ。まさに仕事のやりがいは一人ひとりの内の軸から発せられる価値観に基づいて感じるものなのだ。一般的に、働きがいは働いている組織や集団に対する信頼感・責任感・誇り・仲間意識・愛着といったもので、仕事のやりがいは仕事そのもの対する達成感・充実感・自己実現・社会貢献・感謝欲といったものが多い。これが情熱として強くなればなるほど生きがいへとつながっていくのだろう。

 シニア層が新しい役割に取り組む時、達成感・充実感・自己実現・社会貢献・感謝欲といった仕事のやりがいにつながるキーワードを感じることができれば、それがシニアの活躍につながる。そのためには、前回までに述べてきたように、(1)働き方を選択でき、(2)新しい役割がやりがいにつながっている、ことが重要だ。同時に一人ひとりのモチベーションは、日常の様々な出来事によってアップダウンするので、(3)現場の人材育成リーダーがサポートする仕組み、も必要だ。このサポートによりシニア層の行動が自律的かつ継続的になり、新しい役割の成果に結びついていく。