田島俊之
エム・アイ・アソシエイツ(株) ディレクター

ライフ・キャリア・チャート分析

 キャリア開発を進めていくときの基本ステップがある。第一段階『自分を知る』、第二段階『環境を知る』、第三段階『キャリアビジョンを描く』、第四段階『アクションプランを立てる』の4ステップだ。さらに立てたアクションプランに従って行動を継続することが大切だ。

 シニア向けキャリア研修では、第一段階『自分を知る』のセッションで、ライフ・キャリア・チャートを作成しながら、培ってきたキャリアを分析することが多い。

 ライフ・キャリア・チャート分析とは、過去から現在までのキャリアを振り返りながら、ターニングポイントとなる出来事に着目し、いくつかの分析により自分自身が大切にしてきた自分らしさや価値観、自分自身のキャリアの意味付けを理解するセッションである。

 セッションの最後には、横軸の時間(年月)と縦軸のモチベーションの高低によるチャートが完成する。結果として、ほとんどの人は上がったり下がったりの波線になる(図1参照)。参考までに言えば、私はいまだかつて上がりっぱなし、下がりっぱなしのチャートは見たことがない。

 ライフ・キャリア・チャート分析のセッションは、チャートを完成することが目的ではない。培ってきたキャリアを振り返りながら、身に付けてきた知識・スキルやコンピテンシーの棚卸しを行い、今後の開発課題や活用課題について考えることに意味があるのだ。

 しかし、最も大切なことは、大小様々なキャリア選択の場面で大事にしてきた自分らしさや価値観、キャリア全体を俯瞰した時の自分自身のキャリアの意味付けを理解することである。

 シニア層に限らずビジネスパーソンのほとんどは、社会人になって以来、じっくりと時間をかけて自分自身のキャリアについて考えることはなかったのではないだろうか。研修によってあらためて自分なりのキャリアの意味付けを整理できたという人は多い。特にシニア層が自分自身の培ってきたキャリアの意味付けをあらためて理解することは、今後の自身のキャリアを考えるうえでも、また企業がシニア活用の施策を考えるうえでも重要なポイントとなる。