佐々木郷美
エム・アイ・アソシエイツ(株) マネジャー

成長するために20代のうちに学んでおくべきこと

 今回で本連載は最終回となります。最後に、若手社員が「30にして立つ」ために、つまり責任を持って組織に貢献できる社員になるよう成長するために、20代のうちに学んでおくべきことを4つのステップに添って、具体的に述べたいと思います。これは、エム・アイ・アソシエイツで私が実施しているキャリア研修で伝えているメッセージです。

1.自分の「内の軸」(仕事への信条、価値観)を持たせる

 まず、必要なステップは自己理解を深めることです。この自己理解は何のためにするのでしょうか?自分の実績やスキルを棚卸しし、強みと弱みを客観的に把握して、戦略なキャリアを築けるようにするためかというと、そうではありません。それも後になれば必要になるステップではありますが、20代のうちに必要なのは、間違いのないキャリア選択を行えるようになることではなく(そこに主眼があると社外の選択肢にも目が届きかねません)、むしろ、どんな仕事の経験をも学びに変えられる強い自己の確立です。

 そのために必要な自己理解とは、内面の自分を知ることです。つまり、自分が何をどう考え、感じる人間なのかを知ることで、仕事での体験を自分で振り返れるようにすることです。いわゆる自己省察、内省、リフレクションを身に付けさせることが大きな目的です。そのため研修の中では、仕事の成功体験や失敗体験を心の動きとともに振り返り、そこで何を感じ、学び、成長したのかを考えたり、心理学的なアセスメントを使って、内的動機傾向から自分が仕事で何に大切にしているか、独自の視点や価値観を発見したりします。そこで、仕事の良い結果も悪い結果も、そのプロセスで自分が何を考え、どうかかわったかを振り返らせることで、自分の中に原因を探し求める習慣を身に付けることができるのです。

 そのようにして仕事へのイニシアティブを感じられるようになると、仕事に対して「ここを重視して取り組もう」と自分なりの「軸」ができてきます。研修の中で、この「軸」を明確に確立させるレベルまで到達させることは難しいかもしれませんが、「内」に「軸」を持とう感覚だけは持ち帰ってもらうようにしています。