佐々木郷美
エム・アイ・アソシエイツ(株) マネジャー

キャリア研修で仕事の取り組み方が変わった

 今回も前回に引き続き、私が実施している企業研修で出会ったきらきら輝く30代前半の若手社員に、20代のうちに自分のキャリアをどのように切り拓いてきたか、直撃インタビューした内容を紹介します。20代の若手社員の人たち、そして20代の若手を指導する上司や人事担当者の皆さんに、参考になればと思います。

 今日取り上げるB子さんは、「自分」ならではの仕事の価値にこだわりながら、チームや組織への貢献する領域を少しずつ広げていき、しなやかにキャリア形成をしてきた人です。研修で出会ったときも、明るく外向的で、物腰柔らかな人だという印象を受けました。

 一方で、ほかの人と比べることなく自分のペースを大切にするB子さんのようなタイプには、一般的に注意しなければならない点もあります。自分にとって心地よい領域に安住してしまい、チャレンジしなくなってしまったり、周囲の評価やフィードバックに無頓着になってしまったりする人も最近では多いように感じるのです。

 その点、B子さんは自分で自分を励ますこともプレッシャーを掛けることも上手で、バランスが取れているのが素晴らしいところです。同時に、周囲の人のニーズや関心も敏感にとらえ、そこに「調和」させた形のキャリアを意識的に築こうとしている点も、ぜひとも見習いたいところです。「キャリア研修を受講して仕事の取り組み方が変わり、自分も成長したと思う」と言うB子さんに、改めて自身のキャリア・ストーリーを語ってもらいました。

「自分」にしかできないことを大切に

 キャリア研修で、自分の動機ややりがいに影響を与える要素を知ったことで、なぜほかの人が同じように感じ、行動しないのか、逆に、自分にとってはあることが非常に苦痛に感じるのはなぜか、理由が分かって自分と付き合いやすくなったと、B子さんは言います。クライアント企業の関係者からの問い合わせや要望に応じて、問題を解決していくのがB子さんの今の仕事内容ですが、そのせいか職場の雰囲気がピリピリしがちで、自分の業務に没頭してしまう人が多いそうです。

 B子さん自身は、お客様と直接話をしながら一緒に問題を解決していく過程そのものが楽しく、また、解決できたときの反応をダイレクトに感じられることがやりがいのようです。今までは、なぜ周囲の同僚が同じように感じられないのか、なぜ自分の主張ややり方をお互いに押しつけようとしてギスギスしてしまうか、理解できなかったようです。でも、キャリア研修での自己分析を通して、仕事にやりがいを感じるポイントは人によって様々であることを知り、そうであれば、自分ができることから働きかければ良いではないか、と視点が変わったそうです。B子さんから周りにちょっとした一声掛けることで、情報共有が進んだり、互いの状態が分かってフォローしやすい状態を作ったりと、自分にできることを意識的に少しずつ広げていったようです。最近、上司からも「B子さんの存在で職場の雰囲気が良くなっている」と評価され、他人の目から見ても明らかな変化につながっていったようです。