佐々木郷美
エム・アイ・アソシエイツ(株) マネジャー

 キャリア研修でさまざまな企業を訪問すると、自社の20代の若手社員が自立せず、依存心が強いという声をよく耳にします。将来に対して悲観的であるとも言われます。ただし、それが若手社員特有の傾向なのかというと、必ずしもそういうわけではないようです。

 確かに、どの業界ももはや右肩上がりの成長を期待できる時代ではなく、将来に希望が満ちあふれているとは言いがたい状況でしょう。事業環境の予測が難しくなり、それに伴って企業の再編や統合も増え、組織の形態すら安定しない中、若い人に限らず、多くの社員が自分のキャリアの先行きに不透明感を感じているのが事実です。

 では、そういう環境変化の中で、今後何十年ものキャリアを育まねばならない20代の若手社員が自立的にキャリアを切り開くために、人事担当者や経営陣は何をすべきでしょうか?目標管理制度や社内公募制度を導入したり、ジョブ・ローテーションを活性化したり、組織的な制度を整えている企業はたくさんあります。しかし、実際にはそのような制度を導入しても、若手社員を育む風土がなければ、意図した結果は望めません。今回は、全社レベルで影響力を発揮できる人事や経営者が、どのように若手社員を育む風土を作っていけるか考えてみたいと思います。