河合克彦
株式会社 河合コンサルティング 代表取締役

成果把握のタイプ

 それぞれの企業は、様々なやり方で成果の把握を行っています。ここではその代表例として次の三つの企業の例を上げて説明します。

 A社は、目標管理だけで成果の把握をしている企業です。B社は、目標管理に行動評価を加えて成果の評価をしている企業です。C社は、成果の把握は成績考課(仕事の質、仕事の量)、情意考課で行っている企業です。目標管理は行っていますが、成績考課の参考資料として利用しています。

 前回、成果を把握する場合、次の4つを押さえることが必要であると説明しました。(1)本人の仕事を漏れなくカバーしているか、(2)見える化、(3)部門業績を明確に意識しているか、(4)目標管理はその特性に合った活用がされているか――です。3社の例をこれに当てはめて詳しく見てみましょう。

目標管理だけで成果を把握すると

 A社は目標管理だけで成果の把握を行っています。成果主義人事制度を導入している企業によくある例です。メリットとデメリットに分けて考えてみます。

●メリット
  1. 見える化
    目標管理のメリットは「見える」ということです。目標の設定、目標設定面接、進捗管理、自己評価、評価面接という一連のサイクルにおいて、上司・部下が目標を介してお互いに「見える」状態にあります。
  2. 本人の仕事に即して目標が設定できる
    目標は本人の仕事に即して、また能力に見合って設定できるので、レベルの微調整が可能です。
●デメリット
  1. 本人の仕事が全て把握できない
    目標項目の数は限られているので、本人の仕事をすべてカバーすることは難しいことになります。
  2. 必須項目が抜ける
    絶対やってもらいたい仕事が抜けることがあります。
  3. 維持的な業務を目標に上げる
     逆に、個人目標だけで成果を評価するのでマニュアルどおり仕事をして、ミスしませんというような維持的な目標が上がってくることがあります。
  4. 部門業績が曖昧
    管理職の目標は部門業績に関する目標が主体となりますが、部門業績に関する指標が厳密に議論されないまま目標になっているので、その達成度評価の公平性・納得性で問題がでてきます。部門メンバーは、部門業績に関する目標を上げることが求められないので、部門業績は関係ないことになります。