河合克彦
株式会社 河合コンサルティング 代表取締役

 前回、目標管理の弱みとして次のものを上げました。
 (1)目標以外の仕事が見えなくなる、(2)目標で仕事のすべてをカバーできない、(3)なぜか部門業績への関心が薄い、(4)維持目標が上がってくる、(5)「ノルマ管理」「達成しやすい目標の設定」の5つです。

 これらをどのように克服していけばよいのか、一つひとつ考えてみましょう。

目標以外の仕事が見えなくなる」の克服

 目標は特定化、焦点化されておりクローズアップされよく見えます。一方、目標以外の仕事は関心が薄れ「見えない」ようになります。広い視野で本人の仕事が見渡せ、かつ漏れなく把握できるようにするには、一般的に行われている人事評価の「正確度」「迅速度」「チームワーク」といった評価項目で把握します。

 ただし、評価項目で把握しようとすると、評価者が評価をして、それで終わりということになりがちです。これを「見える」ようにする必要があります。すなわち、これら評価項目についても目標管理と同じように「やることの確認」「やっていることの確認」「やったことの確認」のサイクルを回す必要があります。

 そのために期初に上司は、一つひとつの評価項目について期待するところを明確にして、部下に伝えます。期待するところの明確化は評価項目の定義と段階を上司・部下が確認し合うことで、部下もやりたいことがあれば述べ、お互いに確認・合意することが必要です。このように評価項目毎に上司・部下の間で確認合意されたものを、ここでは「役割期待」と呼ぶことにします。いうなれば「役割期待」とは、評価項目に"魂"が入ったものということができます。

 この「役割期待」を「役割期待シート(業績評価表)」で確認・合意し、このシートを期中の進捗管理、期末の評価、そのあとのフィードバックに活用します。そうすることによって目標以外の仕事の「見える化」を図ることができます。