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21世紀医療フォーラム 良い医者、良い医療を創るプロジェクト
トップページ医療を変える日本初 医療ビッグデータを徹底解説した書籍を刊行 『医療ビッグデータがもたらす社会変革』

日本初 医療ビッグデータを徹底解説した書籍を刊行 『医療ビッグデータがもたらす社会変革』

2014.07.24 構成:AGING SUMMIT取材班
文責:日経BP社21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也
『医療ビッグデータがもたらす社会変革』
京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野教授
中山健夫 氏

1961年生まれ。
1987年東京医科歯科大学医学部卒業。
1989年同大学難治疾患研究所疫学部門助手。
1998年米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)フェロー。
1999年国立がんセンター研究所がん情報研究部室長。
2000年京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻助教授。2006年より現職。
2010年より同副専攻長
●著書/『健康・医療の情報を読み解く 健康情報学への招待 [京大人気講義シリーズ]』(丸善/2008年)、『京大医学部の最先端授業!「合理的思考」の教科書』(すばる舎/2012年)、『最悪に備えよ―医薬品および他の医療関連危機を予測し回避または管理する―』(共訳・じほう/2013年)など多数
●受賞歴/2005年日本疫学会奨励賞受賞

2014年5月8日、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野教授・中山健夫氏監修、21世紀医療フォーラム編の『医療ビッグデータがもたらす社会変革』が刊行された。 ビッグデータとは何か、医療ビッグデータが実現する未来とは。各分野の第一人者が語る活用における課題、海外事例なども紹介。


『医療ビッグデータがもたらす社会変革』

○監修:京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野教授 中山健夫
○編集:21世紀医療フォーラム
○出版社:日経BP社



ビッグデータを特徴づける言葉として、Volume(量)・Velocity(迅速性)・Variety(多様性)の3つ(野村総合研究所)をあげているが、現時点で言葉の定義が明確に定まっているわけではない。

仮にビッグデータがこうしたものであるなら、医療の世界にもすでに存在する。例えば、2002年に導入されたDPCでは2011年までに878万件のデータが蓄積されており、2012年度時点で全国1505病院、全一般病床の半数強にあたる48万床をカバーしている。あるいは2011年度から全医療機関に、レセプトの電子化が義務付けられており、これはナショナルデータベースとして年間9.5億件のレセプトデータが蓄積されている。

こうした国家レベルでの医療ビッグデータがある一方で、個人レベルのビッグデータも続々と生まれつつある。30億文字からなるヒトゲノムの解読が完了し、現在進められている個人のゲノム解析などは、その典型だろう。

一方では本来、医療とはまったく関係のなかったデータが、新たな医学的な知見をもたらすケースも出ている。例えば、世界中の人々の検索データを分析することで、インフルエンザの流行がほぼ正確に予測できるようになった。

ここで、我々、医療関係者は肝に銘じておくべきことがある。
いわゆるビッグデータは現時点において、ある事象と別の事象の間にある相関関係をあぶり出してくれる。これまでわからなかった相関関係が判明することにより、人類は大きな恩恵を受けるだろう。

けれども、医学の世界では、何かの相関関係が明らかになったからといって、それに飛びつくわけにはいかない。医療の現場においては、一つの意思決定が人の命を左右しかねないのだ。データは、あくまでも意思決定の際の一つの判断材料にすぎない。ましてや表面上の相関関係だけに目を奪われ、その背景に潜む因果関係を見過ごしてしまえば、取り返しの付かないミスを犯す恐れがある。

では、医療関係者はビッグデータと、どのように向きあえばよいのだろうか。これが本書を貫く問題意識である。

本書では、医療におけるビッグデータの意味にフォーカスし、医療系ビッグデータが産み出す価値についての考察をまとめた。本書が、日本における医療ビッグデータ活用の嚆矢となれば幸いである。

○同書籍「はじめに」より抜粋

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