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21世紀医療フォーラム 良い医者、良い医療を創るプロジェクト

「ASIAN AGING SUMMIT 2012」開催 (2/2)

第27回

2014.04.01 構成:AGING SUMMIT 取材班 但本結子
文責:日経BP社21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也
日立コンシューマエレクトロニクス<br/>生活インフラ事業推進部本部長 吉野 正則 氏
日立コンシューマエレクトロニクス
生活インフラ事業推進部本部長 吉野 正則 氏

1957年生まれ。
1980年日立製作所入社。
1983年~ 1986年アメリカ駐在。
VTR、ビデオカメラ、DVD、TVの商品・事業企画を経て
2010 年より 現職

ICTで温もりあるコミュニティを取り戻す

ICTでつくる「向こう三軒両隣」

かつての地域コミュニティの中には「向こう三軒両隣」、顔色を見て健康や生活状態を気にかけてくれる人がいた。近年、隣近所の人間関係の希薄化が指摘されるが、日立グループでは、ICTを使い、新しい形で、向こう三軒両隣の温もりを取り戻す事業に取り組んでいる。この事業の実証実験を、2012年4月から福岡の集合住宅でスタートさせた。

具体的に活用している技術は、HEMSとSNSだ。集合住宅の各戸に、電力の使用状況データを収集する端末を配置し、電力を家庭ごとに「見える化」すると同時に、集合住宅の住人に限定した地域SNSで、電力使用状況を確認しあえる仕組みを導入した。

他の家庭と電力使用量を比較できるようにすることで、節電意識を高めると共に、電力の使用状況から生活状況を推測して、見守りサービスへと活用していくことを想定している。人がいるはずの世帯で、電気がまったく使われていなければ、家族や介護者に要注意であることを連絡するサービスだ。

さらには、地域SNSを入り口にして、買い物支援などの生活支援サービスの導入準備も進めている。地域のお店と連携し、日用品を配送するサービスがすでに動き出している。

将来的には、やわらかいヘルスケアデータを収集し、家庭の健康を支援するサービスの提供も視野に入れている。このやわらかいヘルスケアデータとは、身長、体重、血圧、脈拍などの基本的な身体データのことだ。自分のデータを自分の責任で使うことで、さまざまな形のコミュニケーションが生まれると期待している。例えば、ある人が地域SNSの日記に日々のデータを公開し、そのデータの有意な変化に気付いた地域住民が健康上のアドバイスを提供したり、またある人は、Q&Aコーナーでデータと共に健康上の相談を持ちかけたり、といった形だ。

第2の人生をICTでサポートする

ICTやデジタル機器の操作には、年代や個人差で得手不得手があることは承知している。また、操作性とは別の次元で、SNSで自分の情報をどこまで晒すかに対する意識の濃淡があることも理解している。

ICTやSNSに対して距離がある人も、地域(集合住宅)のコミュニケーションに巻き込んでいくために、地域限定の紙の新聞も併せて発行の準備をしている。東日本大震災の避難所で、壁新聞がコミュニケーションを促進したように、紙の媒体には大きな力がある。紙とICTを連動、あるいは補完し合う形で組み合わせることで、現代的な地域コミュニケーションを作り出すことができると考えている。こうしたコミュニケーションを通じて、コミュニティの温もりある人間関係を育んでいきたい。

その先に見ているのは、元気な高齢者に、生きがいを感じられる第2の人生を楽しむ場を提供することだ。HEMSのEは、本来的にはEnergyだが、Entertainment(娯楽)の意味を込めている。第2の人生を楽しみながら過ごせるライフスタイルを提案し、活力あるコミュニティをつくる。それをICTで支えていくことが最大の狙いだ。

(構成:AGING SUMMIT 取材班 萱原正嗣 
 文責:日経BP社21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也)

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