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21世紀医療フォーラム 良い医者、良い医療を創るプロジェクト
トップページ医療を変える「京都大学臨床研究中核病院構想シンポジウム」開催

「京都大学臨床研究中核病院構想シンポジウム」開催

第20回

2014.02.25 取材・構成:21世紀医療フォーラム取材班 赤堀たか子
文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也

去る2013年2月9日(土)、宝ケ池の国立京都国際会館において、「京都大学臨床研究中核病院構想シンポジウム」が開催された。臨床研究中核病院としては初の試みであり、この事業を広く市民、患者団体、関連病院、業界などに普及・啓発することを目的としている。

開催報告の20回目は、臨床研究教育トラックで行われたミニ・ワークショップをリポートする。このワークショップは、京都大学医学研究科医療疫学教授 福島県立医科大学副学長の福原俊一氏に加え、京都大学医学研究科医療疫学特定講師の山本洋介氏と同大学博士課程の福間真悟氏をファシリテーターに迎え、来場者が参加して行われた。
(構成:21世紀医療フォーラム取材班 赤堀たか子 文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也)

プログラムはこちら(PDF画像が開きます)

研究具体例を用いた参加型学習

福島県立医科大学副学長 福原俊一 氏
福島県立医科大学副学長
福原俊一 氏
【シナリオ1】

糖尿病と下肢切断(患者の血糖コントロールが悪いと足を切断しやすいか)

■研究例
○目的
糖尿病患者の血糖コントロール(HbA1c)と末梢血管障害による下肢切断との関連を検討する
○対象者
2002~2006年の5年間で下肢を切断された糖尿病患者100人
○方法
対象者の下肢切断前のHbA1cの値を調査
○結果
対象者100名のうち、切断前1カ月間のHbA1cが7%未満に維持できなかった患者が80例(80%)いた
○結論
血糖コントロールが悪いと下肢切断につながりやすいことが示唆された

○課題
この研究結果から、この結論が導き出せるのだろうか。もし、そうでないとすると、「血糖コントロールが悪いと下肢が切断されやすい」ことを証明するためには、どのようなPECOが望ましいだろうか。

まず、研究方法をPECOにまとめてみよう。
P…下肢を切断された糖尿病患者
O…血糖コントロールが悪かった

上記2点はわかるが、EとC、つまり何と何を比較しているのかわからない。したがって、この研究からはこの結論は導きだせない。では、この結論を導くために、どんなPECOが必要かを考えてみたい。

■Aさんの解答
P…下肢を切断された糖尿病患者100名
E…切断前1カ月前のHbA1cの割合が7%以上の患者
C…切断前1カ月前のHbA1cの割合が7%未満の患者
O…80%が切断された

この解答例のPECOの場合、比較するもの同士は明確になっているが、対象が下肢を切断された人だけなので、下肢切断されていない人の状況との比較ができず、下肢切断とHbA1cの関係が判断できない。したがって、下肢切断されていない患者を比較群として見る必要がある。例えば、1つの見本として次のPECOが考えられる。

■見本のPECO
P…糖尿病患者100人
E…1カ月間のHbA1cの割合が7%以上の患者
C…1カ月間のHbA1cの割合が7%未満の患者
O…1年後の下肢切断の割合

HbA1cの値が良い人の中での下肢切断した人の割合とHbA1cの値が悪い人の中で下肢切断した人の割合を比較し、後者の割合が高ければ、「血糖コントロールが悪いと、下肢切断につながりやすい」という結論を導き出せる。

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