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21世紀医療フォーラム 良い医者、良い医療を創るプロジェクト
トップページ医療を変えるイーエヌ大塚製薬、摂食回復支援食
「あいーと」の発売3周年を機に
高齢者の食に関するメディアセミナーを実施

イーエヌ大塚製薬、摂食回復支援食
「あいーと」の発売3周年を機に
高齢者の食に関するメディアセミナーを実施

2013.11.26 構成:21世紀医療フォーラム取材班 赤堀たか子
文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也

■ 開催概要

日時 2013年10月31日 12時~
場所 TKP Luz大森カンファレンスセンターホール(東京都・大田区)

「あいーと」は、通常の食事を摂ることが難しい人向けに、食べる機能と栄養状態の回復を支援するためにイーエヌ大塚製薬が開発した加工食品である。独自の新技術「酵素均質浸透法」により、食材本来の形、色、味および栄養素をそのまま保ちながら、食材の硬さは普通食の食材の100分の1~1000分の1と、舌で潰せるほどの軟らかさが特徴だ。これまで、ごはんから肉や魚などの主菜、煮物など副菜まで、32品目を販売していたが、新たに10月22日から「栗ご飯」を全国販売、さらに、11月26日からは「豚肉の生姜焼き」「牛肉の赤ワイン煮」「海老芋の柚香蒸し」「五目ひじき」の4品目を通信販売限定で販売する。
(取材:21世紀医療フォーラム取材班 赤堀たか子
文責:日経BP社21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也)

野本佳世子 氏
イーエヌ大塚製薬マーケティング部
野本佳世子 氏

「あいーと」の中心的なマーケットは、高齢者だ。イーエヌ大塚製薬マーケティング部の野本佳世子氏によれば、65歳以上の高齢者の食事摂取量は、65歳未満に比べ、総エネルギー、炭水化物、タンパク質、脂質の全ての項目において大きく減少している。その原因は、歯の数の減少にあると見られており、実際、総義歯の人は歯の数が20本以上ある人に比べ、上記の全ての項目において摂取量が少なくなっているという。

摂食障害のある高齢者向けの食事には、食材をミキサーで潰した「ミキサー食」や細かく刻んだ「刻み食」、あるいは、ペースト状にしたものを元の食材の形に固めた「再成型食」がある。しかし、これらは何を食べているかがわかりにくいので食欲がわきにくく、摂食障害のある高齢者は食事をしなくなり、栄養摂取が不十分になりがちだ。その点、「あいーと」は、味、食べやすさ、見た目、栄養バランスなどの面で優れているため、「摂食機能の衰えた高齢者にも楽しみながら食べてもらえる」と、野本氏はそのメリットを強調した。

“口で食べること”が生きる力を生む

東口髙志 氏
藤田保健衛生大学医学部教授
東口髙志 氏

続いて講演した藤田保健衛生大学医学部教授の東口髙志氏は、“口で食事をすること”=「食力」の大切さを強調した。

東口氏によれば、“食力”には、食欲、満足度、口腔内の環境、摂食機能、全身の筋力、消化機能などが含まれ、これらの機能を担保し、向上させ、食べる期間を延ばしていくことが、寿命を伸ばすことにもつながるという。
高齢者が入院すると、誤飲予防の観点から栄養摂取の手段は点滴が中心になるが、点滴の期間が長期化すると、食べるために必要な身体の機能を弱体化させてしまう。東口氏は「口で食事をするということは、人がいきいきと暮らすために必要な栄養療法である」と強調し、実際、終末期のがん患者が、経口摂取により摂取カロリーが高まれば、平均存命期間が伸びるというデータもあるという。

現在120万人の年間の死亡者数は、高齢化の進展に伴い30~40年後には、170万人に増えると見られている。一方、病床数は減少傾向にあるため、将来は介護も在宅が中心になる。そうなれば点滴や経管栄養ではなく、口から食事をして自らの力で身体を治し、癒すことが重要になり、また、それが喜びのある生活にもつながると東口氏は指摘した。


終末期の患者は、96%が食べたいと言っており、患者の家族も食べることが大切だと考えている。東口氏は、「安全においしく食べられるものが少しでもあれば、終末期であっても幸せを感じることができる。その意味で、食べやすさ、味、見た目、栄養面で優れた「あいーと」の果たす役割は大きい」と語った。

加えて、介護者の労力軽減や介護者と要介護者のコミュニケーションという観点からも「あいーと」は有効だ。1000名の在宅介護者に聞いたアンケートでは、「要介護者に何かを食べさせ、おいしそうな表情をしたときがうれしい」と回答する割合は高かったが、同時に、食事の支度に負担を感じている人の割合も高かった。毎日続く介護の中で、時々でも「あいーと」を使えれば、介護者の負担は軽減でき、また、負担感が減れば、時間的にも精神的な面でも余裕が生まれるため、要介護者とのコミュニケーションも取りやすくなると、東口氏は活用メリットを挙げた。

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