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21世紀医療フォーラム 良い医者、良い医療を創るプロジェクト
トップページ医療を変える「京都大学臨床研究中核病院構想シンポジウム」開催

「京都大学臨床研究中核病院構想シンポジウム」開催

第9回

2013.10.08 取材・構成:21世紀医療フォーラム取材班 萱原正嗣
文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局 エグゼクティブプロデューサー 阪田英也

去る2013年2月9日(土)、宝ケ池の国立京都国際会館において、「京都大学臨床研究中核病院構想シンポジウム」が開催された。臨床研究中核病院としては初の試みであり、この事業を広く市民、患者団体、関連病院、業界などに普及・啓発することを目的としている。

開催報告の9回目は、メイントラックで行われた京都大学4つの取り組みとして、京都大学医学研究科内分泌代謝内科教授の中尾一和氏の講演をリポートする。
(取材・構成:21世紀医療フォーラム取材班 萱原正嗣
文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局 エグゼクティブプロデューサー 阪田英也)

プログラムはこちら(PDF画像が開きます)

レプチンのTranslational Researchと医師主導治験
―脂肪萎縮症を対象としたレプチン補充治療―

シーズをニーズへ適合させるために
中尾一和氏
京都大学医学研究科内分泌代謝内科教授 中尾一和氏

臨床研究中核病院構想においては、医師主導治験による臨床研究を推進することが大きなテーマだ。シーズがないところの医師主導治験には意味がない。基礎研究から生まれたシーズをいかにニーズと適合させるか、トランスレーショナル・リサーチから医師主導治験を実施する上で極めて重要なポイントだ。ここでは、シーズをニーズへ適合させるために、我々がトランスレーショナル・リサーチ並びに医師主導治験を行なってきた研究のプロセスを、その事例として紹介したい。

脂肪組織が人体最大の内分泌臓器だという発見は、1990年代になされた。脂肪細胞からは、アディポサイトカインと呼ばれる生理活性物質が分泌されている。その中の一つ、抗肥満ホルモンであるレプチンは、摂食抑制やエネルギー消費亢進作用を持ち、レプチンへの感受性が高ければ痩せ型になり、低ければ肥満になりやすい。

レプチンは、遺伝性肥満マウスの病因遺伝子を解明する研究から発見された。我々は、基礎研究の一環として、ヒトの高度肥満者に相当するレプチン濃度を持つトランスジェニックマウスを開発し、レプチン濃度が高くなると(=レプチンへの感受性が低い)、インスリン感受性、脂質代謝の亢進作用が起こり、血圧や性腺機能に変化をもたらすことを確認した。ヒトにおいては、小児の先天性肥満患者にレプチン遺伝子異常、レプチン受容体の遺伝子異常があることが発見され、レプチンと肥満との関係が確認された。

我々は、肥満関連病態にレプチンを臨床応用するための基本戦略として、Proof of Conceptの早期確立を目指して次の3つのポイントを掲げた。

① ヒトの疾患の優れた疾患モデル動物における有効性と安全性のPOC確立
② 最も有効なヒトの疾患の選択・POCの確立
③ 有効なCommon Diseaseへの展開

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