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21世紀医療フォーラム 良い医者、良い医療を創るプロジェクト
トップページ医療を変える「京都大学臨床研究中核病院構想シンポジウム」開催

「京都大学臨床研究中核病院構想シンポジウム」開催

第4回

2013.05.28 構成:21世紀医療フォーラム取材班 赤堀たか子
文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局 エグゼクティブ・プロデューサー 阪田英也

去る2013年2月9日(土)、宝ケ池の国立京都国際会館において、「京都大学臨床研究中核病院構想シンポジウム」が開催された。臨床研究中核病院としては初の試みであり、この事業を広く市民、患者団体、関連病院、業界などに普及・啓発することを目的としている。

開催報告の4回目は、メイントラックで行われた臨床研究中核病院からの報告として、北海道大学病院高度先進医療支援センター長の佐藤典宏氏の講演をリポートする。
(構成:21世紀医療フォーラム取材班 赤堀たか子 文責:日経BP社 21世紀医療フォーラム事務局 エグゼクティブ・プロデューサー 阪田英也)

プログラムはこちら(PDF画像が開きます)

佐藤典宏氏講演

北海道大学病院における臨床研究中核病院事業
北海道大学病院高度先進医療センター長 佐藤典宏 氏

佐藤典宏 氏
北海道大学病院高度先進医療センター長 佐藤典宏 氏

北海道大学では、「信頼される臨床研究-北海道から世界へ-」をキャッチフレーズに、「日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出」「難治性および小児疾患等の新規治療開発」「最適な治療法の確立」の3点を目的に掲げ、次の5つの取り組みを平成24年度から28年度までの5年間で実施する。
①病院長の責任下での体制確立
②出口を見据えた臨床研究体制の整備
③ICH-GCPに準拠した臨床研究の実施
④多施設共同研究支援体制の整備
⑤国民の理解に基づく臨床研究の実施

中核病院事業を実施する上で重要となるのが、実効性と継続性を考えた設備や組織の整備と人材の確保だ。業務が円滑に遂行され、かつチェック機能がしっかり働くために、組織体制は意思決定、実行、評価の3つの機能からなるシンプルな組織とし、むやみに委員会や会議体を設けないことにした。

具体的には、病院長を総責任者として、その下に病院長を議長とする意思決定機関の事業推進会議を設け、さらに評価、助言を行う機関として外部評価委員会も設ける。実行部隊となる高度先進医療センターには、センター長、副センター長の下、臨床研究の戦略・推進やデータ管理、研究開発の推進などを担当する6部門を設ける。一方、設備面では高度先進医療支援センターの面積を540平米から3200平米に大幅拡大し、データセンター、CPC、生態試料保管ユニットなど、必要な機能を強化・拡充する計画だ。

こうした組織や設備を運営するために、高度先進医療支援センターの機能として、新たにプロジェクトマネジメント機能、監査機能、生態試料管理機能を設けた。プロジェクトマネジメント機能を設けるのは、出口を見据えた臨床研究体制の整備には知財管理本部など、学内の専門機関との連携が欠かせないためだ。また、生態試料管理室は設置が義務付けられているものではないが、臨床試験の価値向上のためには欠かせないと判断し、導入を決めた。

さらに、多施設共同研究サポート、広報、疫学研究、疫患レジストリー支援などの機能も強化・拡充した。多施設共同研究サポートは、これまでもデータセンター内の一機能として存在していたが、十分機能していなかったため、受け入れ窓口を明確にし、研究調整事務局機能を強化するため、独立した組織とした。

加えて、組織も機能性を考えて再編成する。これまでの組織は治験と治験以外に分けられていたが、今後はセントラル機能とローカル(サイト)機能とに分ける方針だ。ちなみに、セントラルはデータセンター、サイトはCRC、ローカルデータマネジメントが該当する。

事業運営で最も重要となる人材については、業務に専任で従事し、組織の核となることができ、チームワークを重視するという条件に合った人材を妥協せずに探したところ、希望通りの人材を確保することができた。

一方、事業の継続には資金も重要な要素になるが、この点については結果を出すことが資金確保にもつながるとの判断から、まず、必要不可欠な組織となることに注力する。尚、資金が集まっても人事面で十分な対応ができなければ成果につなげることが難しいため、事業推進会議の下に人事検討委員会を設け、人事面の強化を図る方針である。

北海道大学では、中核病院事業以外にもさまざまな医学・創薬・医療系のプロジェクトを推進している。そうした他のプロジェクトとの連携も図りながら、北海道大学全体の取り組みとして中核病院事業を推し進めていきたい。

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