• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
21世紀医療フォーラム 良い医者、良い医療を創るプロジェクト
トップページ医療を変えるその人らしく、“長く健やかに”暮らす。 墨田の地に託した思い

その人らしく、“長く健やかに”暮らす。 墨田の地に託した思い

坂井ユカコ氏 インタビュー

2011.03.25 聞き手:日経BP社BPnet編集プロデューサー 阪田英也 構成:21世紀医療フォーラム取材班 白川昌彦
坂井ユカコ氏
坂井ユカコ 氏

21世紀医療フォーラム事務局をスタッフとして下支えしてきた坂井ユカコ氏が、自民党から墨田区議会議員に挑戦することになった。事務局では、同フォーラムの志を持ち、これを発展させようとする坂井氏の活躍を期して特別インタビューを行った。
坂井氏は愛媛県出身。大阪の大学を卒業して就職後、自動車関連グッズの会社を友人と起業する。結婚を機に上京して、日経BP社に就職、スタッフとして21世紀医療フォーラム事務局を支えた。地元イベントにボランティアとして積極的にかかわるなど、墨田区に寄せる思いは強い。
(聞き手:日経BP社BPnet編集プロデューサー 阪田英也 構成:21世紀医療フォーラム取材班 白川昌彦)
 

昔ながらの人情と、伝統・文化が息づく街
―すみだ

墨田区で、高齢者の医療問題に取り組みたいとお考えですね。墨田区はどのような土地柄なのでしょうか。

坂井 私が墨田区に住んでみて一番驚いたのは葬儀です。墨田区では、町内でお亡くなりの方がいると、町会が地元の葬儀会社と協力して、葬儀を運営する仕組みができあがっています。喜びも悲しみも町全体で共有します。

そのような、昔ながらの習慣、伝統が生き残っている街ということですね。

坂井 はい。町会制度をはじめ、商店街、お風呂屋さん、お祭り、伝統文化など、日本でなくなりかけたものが、墨田区には今もしっかり息づいています。私は、そんな「血の通った町」すみだを誇りに思っています。すみだの町会は、婦人会、青年会、子ども会、老人会が、首長である町会長のもとでしっかり機能しています。さながら小さなムラのようです。このようなムラが166個集まって墨田区はできています。

私がすみだに暮らし、すみだから学んだこととして、是非とも実現したい“理想社会”。それは、(1)住みなれた町で、いきいき元気に暮らす社会、(2)知識・経験を生かし、やりがいを持って無理なく働く社会、(3)要介護になっても安心して老後を過ごす社会、(4)家族や地域に見守られ、尊厳をもって最期を迎える社会です。私の理想とするそんな社会が、すみだという地域になら作れるのではないかと考えています。

今の日本に欠けているものが墨田区にある。「すみだモデル」といってもいいですね。
そのような文化を持つ墨田区ですが、20年後に迫った高齢化の問題は共通しています。

坂井 私は現在45歳ですが、日本が超高齢社会に突入する頃にはちょうど65歳になります。来るべき時代に備えて、長期的な視点で取り組まねばならないと思います。例えば、道も家も会社も、すみだの町をバリアフリーに変えたいと考えています。高齢者が病院に向かう途中、段差でつまずく。そういうことを予防するだけで健康寿命が伸びれば、医者にかかる回数、費用を軽減することができます。

また、低床式の移動体(電車やバス)が、住まいと買い物する場所、病院、図書館、働く場所などを路面電車のように結んで、高齢者でも自由に行き来ができる。そういうコミュニティモデルの整備を進めていきたいと思います。

21世紀医療フォーラムの代表世話人であり、東大でジェロントロジー(老年学)を研究している辻 哲夫先生が、高齢者向けの街づくりを千葉県柏市ですすめています。高齢者が集う場所もその中にあります。

坂井 現在、高齢者がゲームセンターによく集まっています。仲間がいて、認知症予防になり、またゲームセンターでは長い時間、安く遊べるからです。すみだの場合、町会活動はだいたい75歳が定年で、その後は老人会に来るくらいですごく暇になってしまいます。喫茶店に毎日行くのもおカネがかかりますし、かといって家にじっとしていたら心身に良くありません。ですから私は、バリアフリーで高齢者が入りやすく、みんなで気軽に集まって、お話したり健康づくりができる「健全な高齢者の溜り場」を作りたいと考えています。

医療を変える