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 69年、アポロ11号は人類初の月面着陸を果たした。このとき、1本のボールペンがなかったら、地球に帰還できなかったかもしれないという事実は、あまり知られていない。

ソ連のソユース計画でも使用された。人類最初の宇宙遊泳をしたレオーノフがスペースペンで描いたサイン

 月面上での作業中に、月着陸船の動力スイッチが破損した。修理工具はなく、アームストロング船長は腕のポケットにさしていたペンでスイッチ内部の金属片を持ち上げ、回路をつなぐことに成功したのだった。

 そのときのペンが、「フィッシャー スペースペン AG-7」。ポール・C・フィッシャー氏が、約100万ドルの巨費を投じて開発したものだ。

 スペースペンが登場するまで、宇宙飛行士の筆記具は主に鉛筆だった。無重力の宇宙空間ではボールペンのインクがペン先に下りず、使い物にならなかったからだ。

 その問題を、インクカートリッジの中に圧縮した窒素ガスを密閉し、その圧力でインクを押し出す構造で解決。さらに、使用時だけインクがなめらかに出るように、粘性が強く弾力性のあるインクも開発した。

 こうして、68年に過酷な環境に耐えられるボールペンが誕生。以来、アポロ7号から現在のスペースシャトルまで全てのミッションで宇宙飛行士とともに旅してきた。

 この「AG-7」は、今もほぼ仕様を変えずに販売されている。

 「ある小説家から、入院中、ベッドで仰向けになったまま執筆を続けることができたと、感謝の手紙を送られたこともあった」(日本総代理店のダイヤモンド)。地球上でもその機能は十分生かされているのだ。 (文/上保文則 photo/竹井俊晴)

インクカートリッジに密閉された圧縮窒素ガスが大気の3〜6倍の圧力を保ち、無重力でも地球上と同じように書ける。
その圧力を受けただけでは、超粘性弾力インクは漏れたり、にじみ出たりしない。ボールが回転し、分子の連鎖が切られると流れ出るしくみ。

フィッシャー/スペースペン AG-7

定価 10,500円(税込)

商品番号 196400

宇宙で使用されているシリーズの代表モデル。

販売は終了しました

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