エプソン、医療・健康分野に参入へ
GPS機能付きランニング機器「WristableGPS」の発表会で表明

セイコーエプソンは、医療・健康分野に参入する方針を表明した。2012年8月8日に開催した、腕時計型のGPS機能付きランニング機器「WristableGPS」の発表会で、同社 代表取締役社長の碓井稔氏が明らかにした。
碓井氏は今回、医療・健康に加えスポーツの3分野を、エプソンにとっての新たな領域にすると説明。いずれの分野も、「身体の内部や動作、外部環境をセンシングして、見える化。そこから有用な情報を創り出し、適切にフィードバックすることで、人の生活に大きなベネフィットをもたらす」(同社)分野だと位置付けた。

これらの分野に向けて、「省・小・精(省エネルギー、小型化、高精度を意味する)というエプソンの強みを生かし、さまざまな商品やサービスを提案していく」(碓井氏)と述べた。
自社開発のGPSモジュール/平面アンテナが特徴
WristableGPSは、これら3分野のうちスポーツに当たる商品で、2012年8月23日に発売する。腕に装着することでランニングの走行距離やペースなどを計測し、記録するための機器である。2012年2月に開発発表していた(関連記事)。

技術的な特徴としては、自社開発のGPSモジュールや平面アンテナの搭載などを挙げる。このうちGPSモジュールについては、位置補正のアルゴリズムを加えたことで安定した位置精度と距離精度を実現したと強調する。加えて、低消費電力化を図ったことでGPS連続計測14時間を達成したと説明する。

一方、平面アンテナについては、従来の市販アンテナの場合は表示用の液晶パネルや電池の横に配置する必要があったが、液晶パネルや電池に重ねて配置できるようになったと説明。これにより、本体とベルト部の接点を可動式にできた他、本体の薄型化にも寄与したと強調した。
最も大きな事業になるのは「医療」
発表会後、「医療・健康・スポーツの中で、エプソンにとって将来的に最も大きな事業になると見ている分野はどれか」という記者の問いに対し、碓井氏は「医療」と回答。その上で、「医療分野については、さまざまな規制もあり、今すぐに商品やサービスを提供できるわけではない。そのため、まずは障壁が少ないスポーツ分野からの参入になった」(同氏)と述べた。

ただし碓井氏は、将来の医療は、日常生活の中でバイタル・データを日々モニタリングする形態になると指摘し、その点で「将来の医療に求められる技術は、今回のWristableGPSの技術の延長線上にあり、(スポーツ分野で培っていく)ノウハウを生かせる」(同氏)と位置付けた。
医療・健康分野の事業展開に当たっては、これらの分野における独自のノウハウを持つ企業などとの連携も不可欠になる。その点について質問すると、「もちろん、連携も視野に入れている。ただし、連携するにしても、我々自身がとがった特徴を備えていなければならない。そのために、省・小・精という我々の強みを極めていく」(碓井氏)と語った。
関連記事
- 東芝情報システム、介護施設向け見守りシステムを本格展開 2013/05/24
- 東芝メディカルシステムズ、小型・軽量で運びやすい超音波診断装置を発売 2013/05/24
- クラウドを活用して「オール京都で地域包括ケア実現」へ 2013/05/20
- スマホで「めざせ300万歩」、健康増進について大田原市長が富士通フォーラムで講演 2013/05/20
- 日本ユーザビリティ医療情報化推進協議会(JUMP)が発足、医療版マイナンバー実現へ 2013/05/16
- 三菱電機、がん治療に使う粒子線治療装置の新機能を検証--照射時間1/4を狙う 2013/05/16
- シャープ、中期経営計画で「ヘルスケア・医療」を新事業領域の一つに掲げる 2013/05/15

