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MBA講座:米Googleの「20%ルール」がGmailやGoogleマップを生み出せた心理学的な理由とは?(西條剛央連載第8回)(1/7ページ)

2015.03.04

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Google「20%ルール」の威力

 前回は、「ほぼ日」が、いかに人間の本質に沿うことによって、愉しく働きながら社会に価値あるコンテンツを生み出しているかを論じた。今回は、心理学的な観点から、エンジニアが仕事時間の20%を与えられた仕事以外の好きなプロジェクトに使える米Googleの「20%ルール」の真価を再考する。

 20%の時間を自分の好きな時間に費やすというのは、サボりを助長するだけでは、と思う人もいるかもしれない。だが、それは誤解であって、この仕組みは、まったく無関係の仕事をしてよいとか、好きなゲームに時間を費やして良いということではない。しかしそうであっても20%の時間を好きなことに使うことを認めるということは、やるべき仕事をその分やらなくなるのではと不安になる人も多いかもしれない。

 ところが、Gmailのもとになったカリブー、Googleマップ、Googleサジェスト、Googleニュースといった、もはやネットインフラの一種と化しているプロダクトは、この20%ルールから生み出されていると聞けば、その威力は認めざるを得ないだろう。しかし、エリック・シュミットらは、この「20%ルールの最も重要な成果は、そこから生まれる新機能やプロダクトではない」と言うのだ。これはどういうことであろうか。エリック・シュミット他著『How Google Works --私たちの働き方とマネジメント』(日本経済新聞出版社)を参照しつつ、まずは20%ルールの内実をみていこう。

20%ルールとは何か?

 20%ルールとは、「社員に本来の業務以外の取り組みを認める手段」であり、「日常業務に支障が出ないかぎり、20%ルールをいつ実行するかは完全に自由」である。この20%ルールのオーソドックスな進め方は次のようになる。少し長くなるが引用してみよう。

「優れたアイデアを実現させる第一歩は、全力で取り組む仲間を作ることだ。経営陣は見当違いかもしれないが、仲間のグーグル社員はそんなことはないだろう。私たちが新たな20%プロジェクトを立ち上げようとする社員に常にアドバイスするのは、まずはプロトタイプをつくってみろ、ということだ。それが周囲の人々を夢中にさせる最適な方法だからだ。アイデアを思いつくのは割と簡単で、それより何人かの同僚にプロジェクトに賛同してもらい、自分だけでなく彼らの勤務時間の20%を投じてもらうほうがずっと難しい。そこからダーウィン的な適者生存のプロセスが始まる」

 つまり、新たな20%ルールに基づくプロジェクトを立ち上げる際には、<発案⇒プロトタイプ作り⇒仲間集め>というプロセスを通して、プロジェクトを形にしていくということになる。

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