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FP快刀乱麻

記帳の仕方ひとつでお金が貯まる家計簿のコツ

2015年1月21日(水)

 家計簿のつけ方は人それぞれですが、「良い家計簿は何か」と問われるなら、「上手な家計のコントロールに役立てられること」に尽きます。すなわち、お金が貯められる環境を作り、将来に渡る大きな支出に備えられることが要件です。もし、家計簿をつけていながらお金が貯まらないという方がいらっしゃるなら、ぜひ試していただきたい記帳方法のコツをお教えしましょう。

帳尻を合わせない(分からないままでよい)

 家計簿をつけていると、何に使ったのか思い出せない支出(使途不明金)が生じることがあります。家計簿の残高よりもお財布の中身が不足している状況ですので、真面目な人ほど、この差額を解消するために時間をかけて使途を思い出そうと躍起になるものです。
 しかし、記憶にすら残っていない使途を思い出すことに時間をかけても意味がありません。こんな時には「残高調整支出」という項目を作り、使途不明金を割り当ててしまいます。適当な項目をこじつけたりせず「分からないままでよい」とあえて放置するのです 。まれに逆のことが起こりますが(お財布の中身の方が多いケース)、さらに思い出すのが困難なので、その場合は「残高調整収入」として棚上げしておきます。

「残高調整支出」2つの効果

 この記帳方法を実行するだけで思わぬ効果が2つ期待でき、継続的にお金が貯まるようになります。順にご説明しましょう。

(1)家計簿が長続きする
 家計簿を途中で投げ出してしまう人の多くは、必要以上に厳格なルールを設けている傾向にあります。例えば、テーマパークで遊び倒したとします。帰宅後にその日の全ての支出を思い出し、一通りのかたがつくまで翌日からの記帳は滞りがちです。
 こういう時こそ、週末の支出を残高調整支出として一度棚上げし、翌日以降の記帳を優先します。そして棚上げした週末の使途は、思い出した時点で記入していけば良いのです。このような気楽さがあれば、滞りがちな家計簿を途中で投げ出さずに済みます。

(2)潜在的な貯蓄額をあぶり出す
 放置した使途不明金も、毎月集計すると不思議な現象に気付くでしょう。使途不明の額が毎月ほぼ同額になっている世帯が多いのです。例えば、今月3万円ならば来月も3万円。それ自体が不思議に思われるかもしれませんが、お金回りは全て「習慣」で、使途不明金もその習慣から蓄積されるものだからです。

 そこで、毎月の使途不明金(例えば3万円)とほぼ同額を天引きで貯蓄してみてください。さぞかし、やりくりが苦しくなるのでは心配になるかもしれませんが、そもそも考えても使い道が思い出せなかった“取るに足らない使途不明金”ですから、全額を貯蓄に回しても生活が苦しくなるようなことはありません。
 むしろ、家計簿の記帳方法を変えることで潜在的な貯蓄可能額があぶり出され、突然お金が貯まりだすことに驚かれることでしょう。敢えていうなら、使途不明金は「思い出してはいけない」お金なのです。

 余談を一つ。毎月の使途不明金(例えば3万円)と同額を天引き貯蓄として設定すると、不思議なことにまた新たに毎月使途不明金が出てくるのです。そこで、再度、使途不明金を天引きの貯蓄に上乗せしていきます。一気に全ての習慣を改めるのは難しくても、徐々に詰め寄っていくことが家計改善のポイントです。

このコラムについて

 このコーナーは、日経マネー本誌やTV、新聞等でもおなじみの著名ファイナンシャル・プランナー各氏が毎週交代で執筆する辛口コラムのコーナーです。今の金融界をズバッと斬る直言から金融制度や消費者への提言、最近の金融ニュースの注目ポイント、またFPならではの役立つノウハウまで、幅広い内容を取り上げていきます。更新は隔週水曜日です。

関口 輝(せきぐち・あきら)
関口 輝

 生活経済研究所長野 主任研究員。住宅メーカー、損害保険会社と転職を経る中で、“顧客にはお金の真実が全く伝えられていない現状”を目の当たりにする。一般勤労者が正しい知識と問題意識を持つことの重要性を認識し、2001年労働組合シンクタンク「生活経済研究所長野」に参画。現在、非営利活動団体(労働組合・関連団体)へ活動の中心をシフトし、お金の真実を伝えるべく講演を中心に精力的に活動中。AFP認定者


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