最初の昇格でついた差は縮まらない

 今回は、20代後半から30代前半にかけて、はじめてリーダーになった人を対象に、その対応の仕方について私の考えを述べます。500人以上の中堅企業や、1000人以上の大企業では、このくらいの年齢になると、主任や課長補佐になる人が増えてきます。

 まず、押さえるべきは、大半の会社では同じ時期に一斉に主任や課長補佐にはしていない、ということです。ここを理解していないと、対応を誤ります。人事に疎い人は「日本の企業の昇格は年功序列」と漠然ととらえ、そこにはあたかも社員間の競争がないかのような誤解をしています。

 一例を挙げましょう。2年前、取材した大手飲料水メーカー(社員数3500人)では、人事部の部長がこう答えていました。「10人の同期生がいたならば、同じ年に主任になるのは8人。残りの2人は数年以内に主任になるが、その遅れを取り戻すのは不可能に近い」。

 多くの大企業や中堅企業の人事の責任者が、これに近いことを取材時に話します。いったん、落ちこぼれになると、退職するまで落ちこぼれのままということなのでしょう。会社が、社員間の競争を組織の原理にしている以上、これはやむを得ないのです。

 このメーカーでは、課長補佐になるときに、主任8人のうち、6人が同じ時期になります。2人は数年以内に課長補佐になるようですが、その遅れを取り戻すことはできないようです。人事部としては昇格するタイミングに微妙な差をつけつつ、人件費などの管理をしているのです。