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職場を生き抜け:【243】はじめてのリーダーとして認められるためにどう振舞う?(6/6ページ)

2014.07.23

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若い指導者はプレイヤーとして仕事をし、手本を示すべき

 その一例を挙げましょう。1年前、大手広告代理店(社員数900人)を取材しました。制作部に、30代前半の女性がいました。役職は、マネージャー。課長補佐にあたります。この女性は、「20代の部下をうつ病に追い込むほどに、めちゃくちゃな指導をする」と、20代の社員の間でささやかれていました。女性は、20代後半の部下に「あなたはなぜ、この仕事ができないの」と繰り返し追及をするのだそうです。しかも、皆の前で大きな声で叱りつけながら。

 20代の社員は、「自分はなぜ、できないのか」と考え込み、心が病んでいくようでした。女性の上司である40代の部長(現在は他社で役員)は、取材時に話していました。「女性はプレイヤーとして半人前で、仕事の再現性がない。再現性がないから、部下の仕事ができない理由がわからない。わからないから、しつこく、なぜ、できないのかと詰め寄る。それが、指導だと思い込んでいる」。

 「仕事の再現性がない」とは、仕事を確実に繰り返し消化できることを意味します。この女性は経験が浅いがゆえに、仕事を本当の意味でマスターしていないのです。いかなる場合でも確実にできるほどの「再現性」がなく、部下たちに教えるだけのノウハウも知識も、言葉もさほど持っていないのです。

 こういうレベルの人が部下を抱えることに怖いものがありますが、中堅・大企業でも主任や課長補佐の多くはこの女性と大差がないはずです。その多くは、プレイヤーとして半人前で、本当の意味でプロとはいえないレベルでしょう。

 このことを自覚しているならば、主任や課長補佐の人は「部下」を「なぜ、できないのか」などと追いつめるべきではないでしょう。指導以前に、プレイヤーとして仕事をし、手本を示す姿勢をとるべきです。その姿勢こそが、「主任や課長補佐の指導」といえます。先輩風を吹かせ、「教えてやろう」とか、「鍛えてやろう」とは思うべきではないでしょう。そのように思うのは、15~20年早いのです。

 はじめてリーダーになった人が落ちこぼれないためには、プレイヤーに徹し、手本になり続けることです。若きリーダーの皆さんは、手本になっていますか。

吉田 典史(よしだ・のりふみ)
吉田 典史(よしだ・のりふみ)

 1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年以降、フリーランスに。特に人事・労務の観点から企業を取材し、記事や本を書く。一方で、事件・事故など社会分野の取材を続ける。
 著者に『封印された震災死その「真相」』(世界文化社)、『震災死 生き証人たちの真実の告白』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)、『悶える職場』『非正社員から正社員になる!』(光文社)、『ビジネス書の9割はゴーストライター』(青弓社)など。近著に『会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ』(KADOKAWA/中経出版)がある。
 連載「職場を生き抜け!」は、『いますぐ「さすが」と言いなさい!』(ビジネス社)や『仕事なんかするより上司に気を使えよ (働く・仕事を考えるシリーズ)』(労働調査会)にまとめられている。
 雑誌では、『先見労務管理』(労働調査会)、『プレジデント』(プレジデント社)、『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)などで執筆。

Twitter:https://twitter.com/Yoshidanorifumi
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ブログ:http://plaza.rakuten.co.jp/yasushinori/

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