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梶原しげる:【306】『かもめのジョナサン完成版』で考える。何十年も前に読んだ本に再会した時、人はどうなっちゃうのか?(1/6ページ)

2014.07.10

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『かもめのジョナサン』40年ぶりの完成版を手にとってみた

 約40年前の1970年代早々にアメリカで発売され、全世界で4000万部を超える大ベストセラーになった『かもめのジョナサン』(リチャード・バック著)。

 日本では1974年に出版され、この年最大の売り上げを記録したその本が「40年ぶりの封印を解かれた奇跡の最終章が加わり…」という調子の「ミステリアスな惹句(うたい文句)」とともに全国の書店に平積みされている。

 今回は「何十年も前に読んだ本に再会した時、人はどうなっちゃうのか?」を考える。

 40年前。ラジオ局のアナウンサーになったばかりの私は「流行ものには目を通しておくように」という先輩のアドバイス(押しつけ)に従って、「時代の必須アイテム」を書店で一冊購入した。

 手に取った私の感想は「薄い!鳥の写真が多い。でもその分、文字も少ないから簡単に読めそうでラッキー!」だった。「目を通しておくように」とは「速やかに読了しその内容をかいつまんで報告せよ」との命令だ。「おしゃべり職人」はこんな風にして先輩に鍛えてもらうのが常だった。

 「楽チンに読み切れる!」と高をくくっていたら、これがなかなかの難物だった。失敗と挫折を繰り返すかわいいかもめを描いた第一章中盤あたりまではあっという間に読み飛ばせたが、飛行訓練の修行を積むうち、次第にジョナサンが「異次元のエラいかもめ」に変身する辺りから私はついて行けなくなった。このかもめ、頑張るにもほどがある。私同様「ファッションとして買ってみた」という人達も戸惑ったのではないか。

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