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梶原しげる:【296】農業研修で「田舎と都会をつなぐ受け皿作り」目指すNPO法人「えがおつなげて」の挑戦(6/6ページ)

2014.04.24

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新人の農業研修から生まれた「博報米」

 多くの企業が曽根原さんのネットワークを使って、この地に無尽蔵にある耕作放棄地に自分の会社の「ファーム(農場)」を作るため、週末や連休を利用してやって来る。

 東京駅丸の内を次々生まれ変わらせている、あの三菱地所グループも自分たちのファームを自社の社員に開墾させている。最近は、もと棚田だった所に「酒米」を作り、育て、収穫し、それで酒造りをして「純米酒・丸の内」と名付けて、丸の内界隈の料理店で客に提供し、話題を呼んでいる。

 もちろん手間を考えたらまるで商売にならない値段で販売している。都会の真ん中で、超近代的なハイテクビル作りで活躍する社員が休みの日に汗みどろになって酒米を作る姿を想像すると、丸の内の景色も何となく人間味を帯びているように思える。

 博報堂グループの新人研修も「えがおつなげて」が関わっている。世の中に広告を通して新しいライフスタイルを提供する使命を持った会社が社員に農業を通じた自然体験をさせる意義は少なくない。「開墾」→「田植え」→「収穫」と、ほぼ一年をかけて作ったお米を「博報米」と名付け実際に社員食堂で社員が食べているそうだ。

 「もの作り」についての体験は広告制作過程で生きる場面が多々あるだろう。

 直接的に「博報米」が威力を発揮することもあると聞いた。内外の顧客訪問の時、渡す手みやげとしての役割だ。そのお米が、目の前の若者が作ったものだと知ったら、客はさぞや感激することだろう。そんな茶目っ気のために、週末泥だらけになるのも悪くはない。

 「お金」という「目に見える報酬」には直接つながらないけれど「自分が育てたかけがえのない作品としての農産物」を手にし、口にしたときの満足感は、誰かに「エラいねえ」とほめてもらわなくても自画自賛して喜べる、滅多に得られない体験ではないか。

 「最近モチベーションがいまいち上がらないなあ」と感じる人は、耕作放棄地での「開墾」も選択肢に入れてみるといいかもしれない。

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