若者言葉の驚くべき実態

 「とびはね音調」をさらに砕いて説明しよう。

 私は以前電車の中で「北川景子って好きくね?」と「しり上がりイントネーション」で話す若者の会話を聞き「茨城なまりみたいだなあ」と感じた(好きく、の「く」は「好き」という形容動詞の活用に無いからそもそも変なのだが)。

 それを田中ゆかり先生は学問的に徹底研究をなさった。首都圏在住の若者と非首都圏の若者の比較を含め詳細なデータを集め、その驚くべき実態をあぶり出したのだ。

 ここから先はその論文から妄想を広げ勝手に自説を展開するいつものやり口をお目にかける。

 例えばこんなシーンを思い描いてほしい。

 知人とたまたま入った薄汚い中華料理屋さんで、あなたは、何の変哲もないラーメンが「税ぬき1500円」とメニューに書いてあるのを見て知人に言った。

 「このラーメン高くない?」

 この時の「高くない」の言い方を2種類設定した。一つは従来型、もう一つはしり上がり型。

(1)「たかくない? 」と、<た>と<な>を強調して最後の「?」でちょっと持ち上げる
(2)「たかく?」としりあがり調の「とびはねイントネーション」を選択する

 あなたはどちらを口にするだろうか?