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「頭が痛い」ときの自己診断~その痛み、放っておいても大丈夫か?医療

第5回 薬物乱用頭痛とは~頭痛薬に頼りすぎてはダメ(3/5ページ)

2014.03.19

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薬の影響で中枢神経が痛みに敏感になる

 薬物乱用性頭痛の特徴は、早朝もしくは明け方に頭痛症状を来たすことが多いこと。また、頭痛回数が増え、連日症状が出現し、起き抜けに締め付けられるような痛みや、頭がいつも重くスッキリとしない「頭重感」が連日続く。症状が進むと、不安感、ボーっとして集中力が低下する、物忘れ(健忘)、少しの刺激で興奮したり理由もなくイライラするといった精神症状が現れることも少なくない。

 また、最近の研究報告では、薬物乱用性頭痛の患者が、心療内科疾患である気分障害や、うつなどの基礎疾患にもかかっている例が多いと指摘されている。吉井氏の場合、診察時には頭痛治療だけでなく、うつ病の自己診断シートを用いて診察を行い、もしうつ病が隠れているようならば、心療内科と併診しながら治療を行っているという。ストレスやうつのほか、頭痛の慢性化の原因としては、睡眠障害や肥満、生活習慣、加齢、性別などがあり、特に中年の女性は薬物乱用頭痛になりやすいといわれている。

 では、どうして薬物乱用性頭痛が起こるのか。吉井氏は、「いま発症メカニズムについての研究が進められている段階ですが、多くの専門家は頭痛薬の乱用により中枢神経の働きが変化し、痛みにより敏感になっていると考えています」という。専門家はこれを傷みの閾値(痛みを発するスイッチが入るレベル)が下がっていると表現している。

薬物乱用で傷みの閾値が下がる

 また、研究報告の段階だが、市販の頭痛薬を毎日のように内服して歩行が困難なり、病院を受診した患者を調べたところ、小脳の萎縮が原因で歩行が徐々にできなくなった症例もある。この患者では、入院治療により薬物乱用頭痛から離脱でき、頭痛はコントロール可能な状況になったが、小脳の萎縮による歩行障害は改善しなかった。頭痛薬の乱用は脳のさまざまな領域に悪影響を及ぼす可能性もあるのだ。

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