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「頭が痛い」ときの自己診断~その痛み、放っておいても大丈夫か?医療

第4回 群発頭痛には皮下注射治療が効果的(4/5ページ)

2014.01.23

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短期間で効果が得られるトリプタン製剤が有効

 群発頭痛と診断された患者の場合、頭痛発作時には鎮痛剤などはほとんど効果がない。発作時の治療薬として効果が期待できる少ない医薬品の一つが、片頭痛発作にも使われるトリプタン製剤だ。

 吉井氏は、「頭痛が起きたときがトリプタン製剤を投与するタイミングですが、群発頭痛の場合は頭痛症状が出現しピークに達するまでは1~2分と非常に短いため、内服する錠剤などでは消化管で吸収され作用が脳に届くまで時間がかかりすぎます。そこで開発されたのがトリプタン製剤の自己注射剤です」と解説する。

 以前は、発作が起きても頭痛を我慢してたり、または群発頭痛のため入院し、発作が出現すると注射してもらっていたが、現在では、自分で適量を皮下で注入できる「自己注射キット」があり、健康保険での治療も可能だ。効果発現は早ければ5分で認められる。片頭痛の場合、ある程度痛くなってしまうと効果が薄らいでしまうこともあるが、群発頭痛では打つタイミングを逃しても有効率は100%といわれている。

 しかし、自分で注射を打つことを怖がる人も多い。患者自身で自己注射ができない場合には、イミグラン点鼻薬という方法もある。自己注射に比べると有効性は劣るが利便性はよい。点鼻薬は、罹患側とは反対の鼻に噴霧することがポイント。群発頭痛発作中は罹患側に鼻汁が出ていたりするので、せっかくの薬剤を噴霧しても流れてしまうことがあり注意が必要だ。

 他の方法としては、純酸素吸入を高流量(15分~20分)投与することによって、頭痛症状の軽減が約80%に改善された例がある。身近に酸素ボンベがないなら、部屋の窓を開けて新鮮な空気を入れ込むことにより、若干の症状軽減が認められる。

 連日群発頭痛があるため、治療薬のトリプタン製剤をほぼ毎日用いていると、早い人で1週間もすると効果が薄れてくることがある。「治療薬」だけでなく、発作を起こりにくくしたり、起きたときの症状を軽減する「予防薬」は片頭痛の患者よりも必要になり、群発頭痛の中心的治療をなる。吉井氏は、「このシリーズで紹介してきたように、最適な治療薬と予防薬を組み合わせることで、辛い群発頭痛にも対応できる」と話す。

 片頭痛と比べると、群発頭痛の発作期の予防に有効な薬は少ない。予防療法として、脳の血管に作用するカルシウム拮抗剤を用いることにより、約70%の有効率が認められる。他の予防薬剤として諸外国ではよく使用されるのは、躁うつ病でも使用する薬を用いたり、てんかん発作の予防にも用いられる抗てんかん薬などを内服する。「群発期に入ったばかりの場合、予防薬の効果が現れるまで副腎皮質ステロイド剤を短期間用いて治療をすることにより、頭痛症状が軽減します」(吉井氏)。

 近年、どの予防薬を用いてもうまくコントロールができない場合には、長時間作用型のトリプタン製剤である「アマージ」を上手く用いることにより、明け方や夜中の頭痛症状が軽減されることが報告されている。この様に個々症状に合わせて治療を行っていくことが重要だ。

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