三国改訂7版の実力やいかに

 では「全然の後ろには打ち消しを伴う」を「都市伝説」ときっぱり言い切る三国改訂7版を見てみよう。

三国改訂7版の場合
[全然](副)
(1)[下に打ち消しや「違う・別だ」などのことばが続いて]すこしも。まるで。「何があったか全然知らない・あいつは全然だめだ」
(2)完全に。すっかり。「全然言いがかりというものだ・鼻が全然つまっちゃってるね」△[(1)の用法だけが本来とされることが多いが、戦前から(1)(2)の用法がともに使われた。戦後(1)が特に広まった]
(3)[話(会話文の中でとの表示)他と比べて断然「いつもの授業と違って全然楽しかった」
(4) [話]心配する必要がない、問題がない、ということをあらわす「この服、変じゃないかな」「ううん、全然かわいいよ」「行ってもいいですか?」「全然来て下さい」

 青字で示した△以降に書かれた「戦後(1)が特に広まった」の一言が「都市伝説だ!」と言い切っている箇所である。(3)と(4)は「全然~打ち消し・の法則」を完璧に無視して、平然と書き進んでいる。見事なまでの潔さだ。

 三国的独自性はさらに一歩進んだ!「全然」以外も随所に「あっと驚く」革新性が堪能できる。今回も異彩を放って読みどころ満載の三国。

 さあ、他社の辞書は今後どういう風にこれに応戦して来るのか?

 「国語辞典は一家に一冊で十分だ」がそもそも都市伝説とも言える。

 どの出版社の辞書もそれぞれに個性的でそれぞれに面白い。これを機会に是非「読み比べ」をお勧めする。