「三国」が掲載した新しい言葉にワクワクが抑えられない!

 「新明解」「明鏡」「広辞苑」「新選国語辞典」等々、どれもそうだが、辞書の改訂版が出る度、私を含め多くの人がまず注目するのは「どんな新しいことばがどんな風に掲載されているか?」ではないか。

「時代のことばと連動する小型辞書はことばの変化した部分については鑑としてすばやく映し出すべき」

 これは、「ケンボー先生」と親しまれ、今も三国編纂者に名を連ねる故・見坊豪紀さんのおことばだ。おっしゃる通り、最新の辞書に取り入れられたことばからは「今」という時代が色濃く見えて来る。

 時代のことば、最新の日本語を映し出して半世紀の三国を開けてみたら、「あった、あった!」。その新語のいくつかをピックアップしてみよう。

 「いらっと」「がん見」「上から目線」「空気感」「ガチで」「スイッチが入る」「リスケ」「深堀り」「嘆き節」「心が折れる」「ブラック企業」なんてことばが飛び込んで来る。そこから浮かび上がるのはそのまま今の職場の様子だ。

 「~てか」「「~つか」「~っしょ」「~っす」「あちゃあ」「やっぱ」「キター!」「リア充」「だだ漏れ」「ツンデレ」「変顔」「恋バナ」からは、若者の「生声」(これは改訂以前からあった語句)が聞こえてくるようだ。

 「したみち」(下道・高速道路でない普通の道)「築浅」(建物が建ってから、まだ年月が浅いこと)「ママ友」「読み聞かせ」「ほうれい線」「じか箸」「戻し汁」「中濃ソース」「旬菜」。成人男女の日常生活がほの見えるのもさすが三国。

 「正しい」とか「正しくない」という「ことばの規範」をチェックするばかりが国語辞典の役割ではない。例えば新語の一つ「半端ない」に「1990年代に例があり、21世紀に広まったことば」と添えられた解説からも「ことばの背後にある時を感じてほしい」との意思が感じられる。