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BizCOLLEGE PREMIUM:次世代を担うビジネスパーソンのための新しい仕事術ビジネス

アレックス・カー:「何でもない」風景を守ることの難しさ(1/2ページ)

2013.11.13

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 日経BP社はBizCOLLEGE・PREMIUM特別イベント「イノベーターと学ぶ“新しい仕事術”」を開催した。当日の講演より一部を抜粋してお届けする。東洋文化研究者であるアレックス・カー氏は、日本が自国の観光資源に対する意識が立ち遅れていること、「古いもの」をよしとしない価値観から、今なお、公共事業などによるダメージによって貴重な景観が失われていることを文化的な問題として論じた。

アレックス・カー:東洋文化研究家・作家。1952年米国生まれ。12歳の時、米海軍所属の弁護士だった父と一緒に来日。横浜の米軍基地に住む。帰国後、エール大学で日本学を専攻、奨学生として慶応義塾大学へ留学。ヒッチハイクで旅行中に訪れた、徳島県祖谷の茅葺き屋根の家 に魅かれ、古い家屋を修復して居住する。『美しき日本の残像』(朝日文庫)で新潮学芸賞受賞。近著に『対談 世流に逆らう―佐伯快勝×アレックス・カー』がある。

 日本の観光業は、残念ながら経済的な国家政策の中であまり良い状況とはいえません。なぜか古い町ほど、観光地としてはさびれているという時代になってしまった。これは非常に逆説的です。

 ヨーロッパで古い街並がそのまま残っているのは、人々が観光客向けにそうしているわけではないのです。まず、(古いものを尊重する)「態度」があって、古い建築を保持するための条例が作られている。対して、日本では古いものは文明以前のものであるという態度、風潮があります。

 例えば、京都のある建物の例。外国人の眼から見れば「古きよき日本」を思わせる素晴らしい建物であっても、地元の人たちはそうは思っていない。むしろ一刻も早く壊して新しいものを作りたいと思っているような例もあります。

 京都の人々ですら、「古いものは恥ずかしい」と思っているという現状がある。そうした世間の意識が変わらない限りは、日本の観光が発展するのは難しい。こういう意識があると、ホテル設計などを含めて、いろんな分野、業界が立ち遅れていってしまいます。

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