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和田秀樹 サバイバルのための思考法ビジネス

和田秀樹:オリンピックに躍らされない子供教育(7/7ページ)

2013.09.19

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「オリンピック世代」と言われないよう勉強の大切さを伝えるべき

 今でさえ、オリンピックへの熱気が強く、テレビにスポーツ選手の出演機会が増えているのだから、スポーツ庁ができ、オリンピックのためという名目で、さらにスポーツ振興が盛んになると、どうなるか。今以上に、子供たちの間で、スポーツのできる人へのあこがれが高まり、スポーツができない子供がいじめられるまではいかなくても、たとえば異性にもてるというようなことが少なくなるだろう。

 そのことが子供の動機づけに大きな影響を与えかねない。

 そうでなくても、アジア最下位の学力がもっと下がるリスクが目前のものになっているのだ。

 これは私の妄想かもしれないが、中国や韓国が今回の日本招致の邪魔に回るという説がまことしやかに流されていたが、むしろ、日本にオリンピックを呼び寄せると、日本人の学力がもっと下がって日本の競争力が落ちるという計算をしたのかもしれないと思ってしまう(韓国の中学生が日本人の学力を抜いた15年後に、サムスン電子などのIT産業が日本を凌駕するようになった歴史的事実もある)。

 オリンピックは、7年たってお祭りが終われば、その後の日本にそれほど大きな影響を及ぼすとは思えない。しかし、子供の教育への影響は、その世代の子供全体の将来にかかわることだ。

 ゆとり世代の次は、「オリンピック世代」と言われないように、体育ブームの中でこそ、親がしっかり勉強の大切さを伝えて子供のサバイバルに努めないと、どれだけの禍根を残すかわからない。ドラッカーが知識社会の到来を予言したように、ロボットでもできることしかできない人間が淘汰される時代が目前に迫っているのだから。

和田 秀樹(わだ・ひでき)
和田 秀樹(わだ・ひでき)

 精神科医。1960年生まれ。東京大学医学部卒、東京大学附属病院精神神経科助手、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、『和田秀樹こころと体のクリニック』院長。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師。川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(とくに自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。『テレビの大罪』(新潮選書)『人は「感情」から老化する』(祥伝社新書)など著書は多数。

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