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和田秀樹 サバイバルのための思考法ビジネス

和田秀樹:オリンピックに躍らされない子供教育(3/7ページ)

2013.09.19

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「四当五落」時代におけるスポーツの価値と楽しみ

 さらに団塊の世代というと、1学年が250万人以上にもなり、受験競争の相手が非常に多かった時代でもある。もちろん、大学の入学定員の受け皿は少なく、昭和40年で、4年制大学の進学率はわずか12.8%だった(男子が20%をかろうじて超えた)。

 中卒者の集団就職が当たり前のような時代背景を考えると、現役なら国立大学に進学できそうだが、そうでなければ大学進学は諦めざるを得ない(それが将来のサラリーマン人生に大きな影響を与えることがわかっていながら)という受験生のおかれた状況や、その心理を考えると、受験競争が過熱するのはもっともなことだった。

 「四当五落」(4時間睡眠だと合格で、5時間だと不合格)という言葉が流行語になり、昭和43年には「五月病」という言葉が『現代用語の基礎知識』に収載された。この五月病というのは、激しい戦場を経験した兵士が、それから帰還した際に生じるうつ状態(帰還うつと呼ばれる)の一種と考えられて、ベトナム戦争の帰還兵の病理と似たものとされた。

 当時の受験競争は、生死の境にいる戦場の兵士と同じくらいのストレスがかかるものだったということだ。

 こういう時代にオリンピックを開くことで、国民や学生にスポーツの価値や楽しみを教えることは、非常に意義があっただろう。

 もちろん、オリンピックくらいで、受験生が勉強の手を緩めることがなかったから、昭和43年に五月病という言葉が流行するのだが、その後、子供の数も減り、大学の定員も増えて、受験競争が緩和される中、若い世代がスポーツに慣れ親しんでいったのは確かだろう。

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