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大前研一の「産業突然死」時代の人生論ビジネス

大前研一:貧富の格差が急拡大する中国、習政権は国民の不満を抑えられるか(1/5ページ)

2013.08.19

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 貧富の格差問題が中国でますます深刻になっている。その重大さを認識していない習近平政権が中国社会の安定を保てるか、大いに不安である。

「持てる人」がさらに豊かに、貧富の差は242倍

 中国の北京大学が8月3日に発表した調査結果によると、都市部の最富裕層(上位5%)と最貧困層(下位5%)の世帯年収を比較したところ、242倍の格差が存在し、格差の幅も急速に拡大していることがわかった。

 鄧小平氏が1978年に「改革開放」政策に着手し、中国は「豊かになる人が先に豊かになり、後から貧しい人も豊かになる」(先富論)というロジックで経済成長を進めてきた。

 しかし、現状を見る限り、貧しい人は豊かになっていない。「持てる人」がさらに富を持つようになっているというのが現実だ。中国はますます格差社会に向かっている。

 中国で共産主義革命が起きた当時、貧富の差はだいたい80倍くらいだったと言われている。本来は、共産主義が導入されたならば、富の再分配が行われるはずだ。みんなで同じように働き、みんなで富を共有する。そうした経済によって、格差は縮小するはずだった。

 ところが、現実の中国では格差は縮小しなかった。改革開放で市場経済モデルが導入されて以来、かえって格差は急速に拡大している。貧富の差という社会矛盾は、“共産国”である中国においてさらに深まっていると言えるだろう。資本主義を批判してきた中国で、多くの資本主義国より貧富の格差が拡大するというのは、自分たちの教条(共産主義と“矛盾しない”一国二制度)がまやかしであった、ということだ。

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