今年1月、埼玉県久喜市で25病院、36回にわたって受け入れを拒否された男性が通報から約2時間半後に亡くなりました。患者から見れば「たらい回し」ですが、医療の現場ももちろん精いっぱいの努力をしています。

 背景には高齢化、医師の偏在など、構造的な問題が潜んでいます。東京大学医科学研究所の上昌広・特任教授は「埼玉県は医師不足が指摘されている地域。そこでこうした不幸な事態が起きたのは決して偶然ではない」と指摘します。医療崩壊は、現在進行形の問題なのです。

 こうした状況の中、自分や大切な家族が病気になった時、どの病院にかかるか決めている人はどれだけいるでしょうか?健康な時はなかなか想像できないことですが、自衛手段として日頃から考えておくことが必要な時代です。

 日経ビジネスの4月1日号特集のテーマは「あなたを救う病院」です。「日経メディカルオンライン」読者の医師1200人、「日経ビジネスオンライン」読者のビジネスパーソン(管理職以上)7200人。多くの読者のご協力をいただいて作成した「全国病院満足度ランキング」を掲載しています。

 ビジネスパーソンにはご自身や家族がかかった病院の満足度をお聞きしました。医師には、ご自身や家族が病気になった時、どの病院にかかりたいかを17疾患(その他のがん、その他の病気を含めれば19疾患)にわたって、病院名を挙げて頂きました。もちろん、病気とは体だけではありません。「メンタルヘルス(心の健康)」対策の最新動向についても取材しています。

 両者を総合的に評価した結果は、下記の通りとなりました。

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 医療機関は「高品質な医療を提供し、患者を救う」のが使命です。社会インフラの役割を担っており、利益を追うという感覚は乏しい状況が続いてきました。ですが、利益は最新の医療機器や人材に投資するために必要不可欠なものです。

 首位の「虎の門病院」、2位の「国立がん研究センター中央病院」、3位の「がん研有明病院」に共通していたのは、執拗なまでの経営改革でした。国内の過半の病院が赤字とされる中、医療の質と利益の向上という、一見相反する要素を経営改革によって解決しました。

 日本はこれから、高齢化と医療費削減という矛盾を解決しなければなりません。こうした病院が上位を占めたのは、いわば日本の縮図と言えるのではないでしょうか。

お知らせ
 日経ビジネスDigitalにおいて、医師が選んだ病院ランキングを疾患別に公開しています。内容は消化器系ガン、肝臓系ガン、呼吸器系ガン、婦人科系ガン、心疾患、脳血管疾患、内分泌代謝疾患、消化器系の疾患、肝疾患、腎疾患、脊椎系疾患、婦人科系疾患、泌尿器疾患、神経疾患、精神系疾患、膠原病、眼科疾患の計17疾患です。
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