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今週の日経ビジネスはこう読め!ビジネス

会社に姥捨て山を作らない方法

2013.03.04

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 「100歳の現役サラリーマン」、福井福太郎氏をご存知でしょうか。日経ビジネスの読者なら、昨年9月10日号の特集「隠居ベーション」で紹介したその活躍ぶりを記憶している方も多いでしょう。文字通り、100歳を超えた今も現役の会社員です。

 毎朝、神奈川県藤沢市から東京都内のオフィスに約1時間かけて通勤。宝くじを委託販売する会社で事務仕事を精力的にこなしています。万歩計を常に身につけ、1日7000歩が日課。矍鑠としたスーツ姿は、実年齢を感じさせません。「衰えは感じないねえ。まあ、97歳を超えた頃から、老化を感じるようになったけれど」と福井氏は笑います。

 60歳の定年を超えても、福井氏のように能力を発揮できる高齢者は少なくありません。引退世代を「隠居」と呼んで社会から追い出すよりも、むしろその力を積極的に活用してはどうか。それが、閉塞感漂う日本経済の活性化につながり、高齢化社会を生き抜く処方箋となる――。特集には、そんなメッセージが込められていました。

 ところが、物事はそう簡単ではありません。確かに、福井氏のように経験と能力と体力、さらにはモチベーションまで備えた人物であれば、会社も喜んで働いてもらいたいと願うでしょう。しかし、残念ながら世の中そんな人ばかりではありません。

 本日から公開している2013年3月4日号特集「定年延長パニック」では、今年4月1日から本格化する定年延長制度の実態に焦点を当てました。年金支給開始年齢の引き上げに合わせ、段階的に実施されてきた定年延長制度。法改正によって4月1日以降は、一定の猶予期間後、希望する全社員を65歳まで雇用する義務が、すべての企業に課されます。

 いわゆる、「65歳定年時代」の到来です。これまで60歳で定年を迎えていた多くの会社員が65歳までの雇用継続を選択することが想定されることから、企業がその対応に追われています。企業にとっての人件費増加は言うまでもありませんが、元上司が部下になるといった指揮系統の混乱、新規採用の停滞など、その余波は決して小さくはありません。特集班の試算では、65歳定年制によって、雇用しなければならない社員数は最大で約100万人増加。企業の人件費も、1.9兆円増え、各産業の利益率に0.1ポイントの押し下げ効果があると見ています。

 「新人でも半日でこなせる仕事に丸一日費やしている。電話を取ったかと思えば、他部署の人と世間話。パソコンに向かったかと思えばゲームの『ソリティア』。定年延長でこういう人が増えていくのかと思うと不安になる」。特集に登場する現役社員の冷ややかな言葉からは、定年延長世代の活用を間違えると、組織の活力を落としかねないリスクをはらんでいることが分かります。

 無論、すべての60代がこのような社員ではないでしょう。しかし、福井氏のような優秀な人ばかりでないのもまた現実です。制度が走り始める以上、企業の対応は不可避。では、経営者はどう向き合っていけばよいのか。特集では、4種類の方法を具体的な企業ケースと共に提示しています。若干品はありませんが、本質を言い当てた特集のサブタイトル「会社に“姥捨て山”を作らない方法」。定年世代を抱える企業にとって無縁ではいられないテーマを深堀りしました。

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