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今週の日経ビジネスはこう読め!ビジネス

徹底検証 アベノミクス

2013.02.25

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 「経済がよくなったという実感は、賃金の増加と雇用が一緒になって、はじめて得られるのではないでしょうか。ただし、経済が活性化し、産業界全体が賃金を上げられるようになるには、早くても2~3年の期間が必要でしょう。まずは収益の上がっている企業から、すぐにやるべきです」

 これは、安倍晋三政権の経済政策、いわゆる「アベノミクス」に呼応し、20代後半から40代の社員の所得を3%引き上げると明言しているローソンの新浪剛史社長のコメントです。

 大胆な金融緩和、機動的な財政出動、成長戦略の促進を3本の矢とするアベノミクスによって、日本経済がわずかながら明るさを取り戻しています。円高の是正と株高が進み、輸出企業を中心に業績回復への期待も高まってきました。問題はこの流れが、国民一人ひとりのところまでやって来るのかどうか。より直接的に言えば、私たちのふところが潤うのかどうかが焦点です。新浪社長はこの部分にいち早く踏み込みました。

 新浪社長は以前から、消費意欲の高い20代後半から40代の所得を上げるべきだと主張してきました。「これまで日本の企業は、コストを削減して収益を確保する経営を行ってきました。これで職員の士気は上がりません。今回の決定は、これとは逆のやり方を目指すものです。賃金を上げることで士気を高め、職員に頑張ってもらい、目標を達成して収益を上げるというものです。従来型からの方向転換を図りました」。

 「企業のコスト削減→従業員の所得減→消費の落ち込み」というデフレスパイラルからいかに脱却するのか。2月25日号の特集「徹底検証 アベノミクス」では、今後アベノミクスが乗り越えなければならない課題を徹底検証しました。企業の賃上げと家計所得の上昇はその大きな課題です。

 しかし、新浪社長のような志を持っていたとしても、企業が持続的な成長を続けていかなければ賃上げは絵に描いた餅に終わります。さらに今後は消費増税も予定されており、仮に企業が賃上げをしたとしても、それが個人の可処分所得の上昇につながらない可能性もあります。

 そこで課題の1つとして重要になってくるのが、3本の矢の1つでもある「成長戦略」。しかし、成長戦略を描く産業競争力会議では思想の違いから、早くも主導権争いが起きつつあるようです。今回の特集では成長戦略を巡る政府内の微妙な駆け引きについても活写しています。

 20年にわたる長い停滞を打破する、歴史に残る政策となるのか。それとも、一発屋と呼ばれるお笑い芸人のギャグのように一時の流行り言葉で終わるのか。ロケットスタートを切ったアベノミクスの真贋が問われるのはこれからです。

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