政府が提示している原発依存度の「3つのシナリオ」は根本的に間違っている。また、全国11都市で開かれた意見聴取会も、本来なら専門家が考えるべきことを国民に押しつける安直な手法である。
「3つのシナリオ」に疑問を感じる
政府のエネルギー・環境会議(議長:古川元久国家戦略担当大臣)は、2030年時点での総発電量に占める原発依存度を0%、15%、20〜25%とする3つの案をもとに、再生可能エネルギーの比率を現在の10%から30%前後に引き上げる目標を示している。
これについて経団連は「いずれも問題が多い」との意見書を発表し、日本商工会議所とともに再生可能エネルギーの目標を容認しない姿勢を示している。
この原発依存度シナリオを取りまとめたのは古川国家戦略大臣だ。私は、古川さんは優秀な政治家だと評価しているが、今回のシナリオについては疑問を抱いている。
政府の3つシナリオは次のようなものだ。「2030年におけるエネルギー源のシナリオ」を見ていただきたい。
3つのシナリオに対して、再生可能エネルギー比率はいずれも30%前後となっている。化石燃料比率は50〜65%とややばらつきがあるものの、温室効果ガス排出量はマイナス23%、マイナス25%とほぼ同じだ。化石燃料輸入額も15兆〜16兆円と似た水準になっている。
政府はこのシナリオをたたき台にして、各地で意見聴取会を行ってシナリオを1つに絞ろうとしている。しかし、国民から意見を聞いてエネルギー政策を決定するという手法自体に問題がある。







