オスプレイ配備をめぐって、沖縄県民が猛烈な反対運動を起こしている。これまで、日本にある米軍基地の多くが沖縄に存在し、事件や事故、騒音などに巻き込まれてきた。

 普天間返還問題でも、沖縄は仲井眞弘多知事が「辺野古移転反対」を貫き、県外への移設を求めている。

 こうしたメッセージからは、沖縄の強いメッセージが読み取れる。

 「基地はいらない」と。

 ここで多くの読者に疑問がわくに違いない。1972年の本土復帰から40年、沖縄は米軍基地があることで、経済が潤ってきたのではないか、と。

 だが、現実は違っている。沖縄全体の所得に対する基地関連収入の比率は、本土復帰直後の15%から、現在は5%程度まで低下している。しかも、その額は、ここ10年ほどは横ばいを続けている。

 一方で、「沖縄が売り上げ日本一」という店舗チェーンが続々出てきた。大手外食チェーンが、「ナンバーワン」店が沖縄にあることに気付き、積極的な展開を続ける。

 背景にあるのは人口増加だ。今後も人口が増え続ける珍しい地域で、2020年までの実質成長率が東京都を抜いてトップに立つと予想される。

 また、原子力発電所がないため、再生可能エネルギーがすでに電力の主力として動き出している。那覇空港がハブとして、全日本空輸や日本航空の拠点となりつつあり、ヤマト運輸もここを中心に戦略を次々と打ち出してきた。

 そうした状況が、日本企業の生産拠点を沖縄にする動きを誘発する。すでに、様々な製造業が、「安定した電力」「税制優遇」「物流環境」「技術人材」が優れているとして、生産拠点を築いている。そして、外資が猛烈な勢いでマネーを投じ始めた。

 沖縄経済の現場を見ると、これまでの固定観念を覆される。そんな破壊力と潜在力を秘めた沖縄をリポートする。

 もはや沖縄は「日本の辺境」ではない。アジアの重心は、沖縄に近づいている。

日経ビジネス 2012年8月6-13日合併号 より

日経ビジネス2012年8月6-13日合併号特集
『沖縄経済圏』徹底解剖
アジアを引きつける新産業の衝撃

 企業進出相次ぐ成長力トップの真実、アジア物流を制す那覇発・航空革命、「製造業天国」へ産業不毛地帯の逆襲、リゾート外資進出ラッシュ・・・アジアの重心・沖縄経済圏の潜在力を総力取材


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