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和田秀樹 サバイバルのための思考法ビジネス

和田秀樹:メンタルヘルスへの偏見を捨てることも重要な生き残り法(6/6ページ)

2012.07.20

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味方になってくれる精神科医がいればサバイバルが少し容易になる

 もう一つ知っておいてほしいのは、医者にかかることそのものが、サバイバルにつながるということだ。

 精神科医の機能というのは、治療だけでなく、診断書を作るということもある。

 仕事がどうしても乗らないとか、苦痛だという時に、それが通常のうつ病であれ、新型うつ病であれ、病気によるものだとわかれば、元の状態に戻るまで「休養が必要」というような診断書を作ることができる。

 実は、これはいろいろな効用がある。

 うつ病の休養という場合、家で寝ていることだけを意味するものではない。たとえば、気晴らしにテニスでもしたほうがいい(日光にあたるとセロトニンが増えるという効果もある)という場合も、「休養」の一種なのである。会社を休んでテニスをしているのを見られたら、会社の人にさぼっていると思われるが、この手のことも休養に含まれるとか治療上必要という診断書があれば、その引け目もかなり緩和される。

 あるいは、うつ病の診断があれば、会社も簡単にクビにはできない。わかっていてクビにして自殺でもされたら、訴訟問題になってしまうからだ(あまり長期だとクビもあり得るが)。そういう意味では、雇用を守る効用もある。医者の診断のもとに、仕事上のストレスが原因ということが立証できれば、労災の認定を受けることもできる。

 あまりに長期間仕事ができないと、障害年金をもらうこともできる。

 いろいろな意味で、心の不調があったときに、相談に乗ってもらえたり、味方になってくれる精神科医がいると、サバイバルが少しでも容易になるだろう。そのために、精神科医に対する偏見を少しでも取り除くのも重要なサバイバル思考法なのだ。

和田 秀樹(わだ・ひでき)
和田 秀樹(わだ・ひでき)

 精神科医。1960年生まれ。東京大学医学部卒、東京大学附属病院精神神経科助手、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、『和田秀樹こころと体のクリニック』院長。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師。川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(とくに自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。『テレビの大罪』(新潮選書)『人は「感情」から老化する』(祥伝社新書)など著書は多数。

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