部下から上司、同僚同士でもパワハラは起こる

 厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」が、「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」を取りまとめ、公表した。

 実は私もこの円卓会議のメンバーで、職場のパワーハラスメントいわゆるパワハラをどう知ってもらい、解決に向けてどう取り組んでもらえればよいのか、診察室での経験などをもとに発言してきた。

 パワハラの問題を語ろうとすると、必ず次のふたつの言葉が返ってくる。

 「ああ、上司が言うことをきかない部下を殴ったり“バカ”と言ったり、というやつでしょ、ウチの職場にはそういうのはないですよ。」

 「何でもかんでもパワハラだと言ってしまったら、適切な指導や教育もできなくなる。」

 これはいずれも、大きな間違いだ。

 まず、「ウチにはない」というほうから考えてみよう。

 パワハラと言えば「上司から部下への暴力、暴言」と思い込んでいる人がいるが、それはほんの一部だ。まず関係性から言えば、「同僚どうし」もあれば時には「部下から上司」というのもある。また、個人が個人に対して行うものもあれば、部署ぐるみ、組織ぐるみということもある。

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