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ゆとり世代、業界の大先輩に教えを請う

「絶望の国の幸福な若者たち」の古市憲寿さんに聞く(前編)、『終身雇用や年功序列前提で20代から働かされるのは魅力的じゃない』

(構成・文/加藤レイズナ 企画/アライユキコ

2010年、中村うさぎさんを訪ねることからはじまったこのシリーズもいよいよ最終回。あえて、同世代の社会学者古市憲寿さんに聞いてみました。大人たちと僕らはどう接していけばいいですか? そしてこれから時代はどうなっていくんでしょう、どう生きていけばいいんでしょうね。

日本人は惰性で新聞を取っていただけ

――僕が様々な業界の大ベテランの人たちから教えを請うという連載の最終回です。

古市 あ、読みましたよ。作家の石田衣良さんみたいに叱ったりしたほうがいいですか?

――普通にお願いします(笑)。

古市 いままでどんなことを言われてきました?

――あー……、石田衣良さんからは「新聞を読め」と。1年間毎日2時間。読んでますか?

古市 読んでないです。必要な記事をあとから参照することはありますけど。だって、新聞って紙で来る。毎朝ゴミが送られてくるってことじゃないですか。

――ははは。電子版は?

古市 電子版も今のままでは読みにくい。新聞のダメなところってオーダーメイドされていない情報が届くってことですよ。発行部数が一千万とかじゃないですか。ということは、一千万人にとって、ほんのちょっとだけ必要な情報が詰め込まれている。本当に必要な情報はほとんど無いということですよ。そんなものを読んでいる暇はないでしょう。

古市憲寿(ふるいち・のりとし)
1985年1月14日生。東京都出身。社会学者。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。慶応義塾大学SFC研究所訪問研究員(上席)。有限会社ゼント執行役。専攻は社会学。大学院で若者とコミュニティについての研究をすすめるかたわら、有限会社ゼントでマーケティング、IT戦略立案等に関わる。近著に『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)。代表作に『希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想』(光文社新書)、中沢明子との共著『遠足型消費の時代 なぜ妻はコストコに行きたがるのか?』(朝日新書)、上野千鶴子との共著『上野先生、かってに死なれちゃ困ります 僕らの介護不安に答えてください』(光文社新書)がある。今度はスイーツパラダイスでインタビューしたいです。

――うーん。毎日はさすがに厳しいですけど、喫茶店に置いてあるのを読むようにはなりました。

古市 無理して読まなくてもいいんじゃないですか。「新聞を読むのが趣味」って人や、日経を読まないといけない銀行や証券会社の人ならともかく。日本人っていままで惰性で新聞を取っていただけで、実はほとんど誰も内容を理解していない。池上彰さんが人気になるってことは、みんなNHKニュースを理解していなかったってことでしょう。新聞も同じじゃないですかね。自分にとって切実で必要な情報なら、口コミやツイッターで入ってきますよ。石田さんは冗談で「新聞を読め」って言ったんじゃないですか? だって石田衣良さんの小説って新聞を頼りに書いていないと思う。

――すごいなあ。古市さんの著書『絶望の国の幸福な若者たち』の帯には、書評がたくさん出て「全国紙制覇」ってでかでかと書いてあるのに。本人はまったく読んでない。

古市 あ〜、そのギャップがいいんじゃないでしょうか。いや、でも新聞には本当にお世話になってるので、全力でフォローしておくと、中高年を中心にまだまだ新聞が必要な人はたくさんいます。そして僕自身も、「時代の空気」を記録する媒体としての新聞にもお世話になってます。文章を書く時には、過去のアーカイブスに頼りっぱなしです。ただ、新聞が今のスタイルを変えないならば、その世代の人とともに役割を終えてしまいかねないとは思います。

無理して教養を身に付けても意味が無い

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