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大前研一の「産業突然死」時代の人生論ビジネス

大前研一:鴻海が事実上の「買収」、シャープは下請けに甘んじるのか(1/7ページ)

2012.04.09

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 シャープがEMS(電子機器の受託製造サービス)で世界最大手の鴻海(ホンハイ)精密工業との資本業務提携を発表したが、これは実質的には鴻海によるシャープの「買収」と見ていい。この先、シャープにどんな道が待っているか考えてみたい。

売上高は鴻海9兆7000億円に対しシャープ2兆5500億円

 シャープは3月27日、台湾・鴻海精密工業と資本業務提携すると発表した。鴻海グループは、シャープが実施する670億円の第三者割当増資を引き受け、議決権ベースで9.99%を持つ筆頭株主となる。

 鴻海は、この10年で世界トップのEMSメーカーになったチャイワン(中国・台湾)の代表的な企業である。1974年に設立された台湾・高雄の会社だが、1993年に中国に進出して積極的に投資し、深圳市にある生産子会社の工場群では100万人を雇用し、急成長した。

 この資本業務提携はシャープにとってどういう意味を持つのだろうか。それを考えるため、まずは両社の主な経営指標を比較してみよう。

[画像のクリックで拡大表示]

 売上高を見ると、シャープが2兆5500億円、鴻海が3兆4526億台湾ドル(約9兆7000億円)。デジタルテレビの需要が一巡したので、シャープの売上高は低迷している。一方、鴻海の売上高がこれだけ大きいのは、中国に生産拠点がある系列のFOXCONN(フォックスコン)社がアップルのiPhone、iPadなどの生産で好調なことが影響している。

 続いて、純損益は、シャープが2900億円の純損失であるのに対し、鴻海は771億台湾ドル(2159億円)の純利益となっている。

 これらの経営指標を見てもわかるように、今回の第三者割当増資で何が起こったかといえば、「資本業務提携」というよりも、これはもう「買収」なのである。実質的には、業績好調な鴻海が経営不振のシャープを買収したと見ていい。

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