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「3冊だけ」で仕事術向上! ――奥野宣之「ビジネス書、徹底比較レビュー」ビジネス

“英語公用語化”時代に生き残りたければ「自分の英語」を話せ ――3冊に学ぶ非ネイティブならではの英語戦略(4/7ページ)

2012.03.21

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ビジネス英会話に必要なのは「時間稼ぎ」の戦略

 英語公用語化の根本にあるのは、「英語環境の中で育つネイティブのように、環境を英語にすれば嫌でも英語を話すようになるだろう」という考え方だ。

 こんな考え方に対し、3冊目の『英語は恥ずかしいほどゆっくり話しなさい!』の著者で米国在住のビジネスコンサルタントの長野氏は、日本人がネイティブのような「流暢な英語」を話そうということ自体が間違っていると語る。

 それより、著者が目指すべきと力説するのは、ゆっくり、頭の中で単語を思い出す時間をしっかり確保しながら話す「スロー・イングリッシュ」。「立て板に水」からは程遠いが、せっかちなネイティブにもちゃんと言いたいことを伝えられる「実用品としての英語」だ。

 たとえば、頭の中で英語を組み立てるのに時間がかかり、口ごもってしまうという悩みを解決するためには、次のような「枕詞」を使う。

I don't mean to beat around the bush, but......
(遠回しに言うつもりではないのですが、……)

 これもスロー・イングリッシュの観点では便利だ。そもそも遠まわしに言っているかどうかは相手が判断すればいいことなので、そんなことをこちらから断ることにどれだけの意味があるのか。いや、意味なんかあるわけがない

I don't mean to beat around the bush, but I may need more references to form, my opinion.
(遠まわしに言うつもりではないけど、もう少し参考になるものを集めないと意見はまとめられないわ)

しかし、あなたはかなりの時間を稼いだ。これでいいのだ。(英語は恥ずかしいほどゆっくり話しなさい!/P.41)

 無意味なことを喋って考える時間を稼げ!

 ネイティブを前にするとビビりまくり、わずかなミスも許されないと思い込んでしまうような人からは永久に出てこないアドバイスだろう。

 しかし、よく考えてみれば、日本人同士の会話でも、「えーーっと、つまりその、要するにですねぇ……」とか、「ちょっと待ってください。なんというか、あー、もう一度、論点を整理しておくと……」といった前置きをよく使う。要約でも整理でもない、まったく意味のない言葉で会話の間をとっているのだ。

 これは英語でも同じで、映画やテレビで見るネイティブ同士の会話でも、「You know」とか「But」を「ユー、ノオオオオオオウ」「バアーーーーッ……」で言葉を選びながら話していることに、本書を読んではじめて気がついた。

 満足に話せる母国語ですらこのような「時間稼ぎ」が必要なのに、英語で話すときに、この技を自ら封印してしまうとは、なんと愚かなことか。

 このように、本書は初心者も英語熟練者も忘れがちな、英会話における「戦略」の重要性に気づかせてくれる。

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