東京電力の経営をめぐり政府と東電の駆け引きが激化しているが、その一方で「経営責任を取らず、株主も株主責任を問われていない。このやり方は資本主義のルールに反している」といった意見は根強くある。
公的資本注入の前提として5つの条件
数兆円規模の損害賠償債務を背負った東電は、支援がなければ債務超過に陥り、法的整理を行って裁判所の管理下で再建を進めるしかない。ところが、東電債が年金や生命保険、投資信託に多く組み込まれており、経営破綻となればその影響が大きすぎることなどから、政府は原子力損害賠償支援機構(原賠機構)を設立した。原賠機構を通じて賠償を円滑かつ迅速に進めるためだ。
その原賠機構と東電は、東電の経営改革策となる「総合特別事業計画」を3月にとりまとめる。「社内の意識改革を明確にして欲しい」と述べる枝野幸男経済産業相は2月13日、公的資金を資本注入する前提として、国が3分の2以上の議決権を得ることを視野に入れる、経営責任を明確にする、利用者の負担をできるだけ軽くする料金体系とするなどの5条件を挙げた。これにより、政府と東電の経営権をめぐる激しい攻防は一挙にヒートアップした。
経営権問題について見る前に、大きな波紋を呼んだ企業向け電力料金17%値上げについて触れておきたい。「値上げは事業者としての権利でもあり義務でもある」という西沢俊夫東電社長のコメントに対する憤りもさることながら、「17%の値上げは企業にとって死活問題」という悲痛な叫びが各方面から上がっている。
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