前回の本連載「苦境の電機大手、日本はいま『人材の端境期』」で、私は「どの経営者もくたびれ切っていて、『国外で地歩を固める』という意欲はあまり期待できそうにない」と述べた。このことを間接的に立証するようなニュースが先ごろ報じられたので、それを取り上げてみたい。
日本の対ミャンマー投資は過去20年でわずか170億円
ミャンマー政府がまとめた統計によると、日本のミャンマーへの直接投資は、1990年から2010年までの累計で約170億円だったことが明らかになった。一方、ミャンマーと国境を接するタイは8000億円、同じく中国は7400億円を投資しているというから(いずれも過去20年の累計)、日本の投資額はそれらの40分の1以下であることがわかる。
ミャンマーへの日本の投資が進んでいない背景には、日本の経済状況や地理的条件ではなく、米国からの圧力がある。ミャンマーは国内の人権問題や軍事独裁政権などをめぐり、これまで欧米から経済制裁を受けてきた。そのため日本企業にとっては、ミャンマーは「投資したくてもできない」国になっていた。
もちろん、「人道的観点から」と称してアメリカに睨まれない程度の政府開発援助(ODA)を実施したり、シンガポールの商社を通じた取引(チーク材など)を行ってきたりしたので、ミャンマー政府の統計で小さく出てくるのは仕方がない。
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